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イケナイアソビ。
第9章 僕はキュートな吸血鬼
(五)
さて、作戦決行だ。
今は二限目が終わった一五分休憩。
俺は早速、今朝、優を痛めつけた先輩を廊下の死角になるところまで呼び出した。
「どうしたの、愛良ちゃん? 悪いけど、試合のことを今さら後悔しているのなら遅いよ。いくら愛良ちゃんでも手を抜かないからね」
「うん、嬉しい。先輩、実はね? 今朝はあんなことを言ったけど、俺、実は先輩のことがずっと好きだったの。だけど先輩たち、あの調子だと殴り合いになりそうだったでしょう? 俺、人が傷つくところを見たくなくて……」
そこまで言うと、俺よりも背が高い先輩を見上げた。もちろん、上目遣いは忘れない。
「愛良ちゃんっ!!」
抱きついてくる先輩に、俺はここぞとばかりに背伸びをして、首筋に噛みついた。
噛みついた初めは痛みが走るのだろう。
先輩は小さく呻き声を上げる。
だけど、それから俺の腰に手が回った。
吸血鬼に噛まれると痛むのは初めだけで、徐々にやってくるのは快楽だ。
それはいわば性行為をしているような感覚に陥る。
俺が食事をしている時、噛みつかれてもみんな怖がって逃げないのはすべて、そのおかげっていうわけだ。
先輩は、俺のことをただ噛み癖のある奴だって思っている。
快楽を与えてしまうのはとても厄介だけど、感じてもらわなきゃ、逃げられるばかりで終わってしまう。
俺たち吸血鬼にとってはなくてはならない効果でもあるんだ。
「愛良、俺の可愛い愛良……」
すっかりのぼせあがっている先輩の手はシャツをめくり、俺の素肌を撫でる。
先輩は今にも上り詰めそうだ。
反り上がった下半身が俺の太腿に当っている。
「愛良の肌は滑らかだね、早く抱きたい……」
先輩は目をつむり、うっとりとしている。
はあ、はあ、と息を切らせて俺の太腿の間に足を滑り込ませてきた。
思い切り腰を揉まれながら、俺の股間を滑り込ませた足を使って器用に撫で回す。
「ーーっつ!」
冗談じゃない。
正直、好きな人以外に触れられるのはものすごく気持ち悪い。だけど、今はこうするしかない。
すべては俺が勝つためだ。
先輩に怪しまれないように、ゆっくりと血液を吸っていく……。

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