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イケナイアソビ。
第9章 僕はキュートな吸血鬼


「先輩、だったら俺とバスケで勝負してよ。今日の昼休憩、俺と先輩たちのそれぞれ三人で得点を争うっていうゲームはどう? 俺が負けたらゲームに勝ったどちらかの先輩と付き合う。どう?」

「いいねそれ。乗った。愛良ちゃんはお前には渡さねぇ」
「俺だって! 愛良ちゃんは俺のものだっ!!」

「ただし! 万が一にでも俺が勝ったら、先輩たちは金輪際、俺が誰と仲良くしても誰も呼び出したり、傷つけないって約束して!」

「おう、望むところだ!!」
 二人とも、自分たちが勝つものと疑わない。
 そりゃそうだよね、だって俺ってチビ。
 先輩二人よりも頭ひとつ分は小さい。
 しかも相手はバスケ部のエースだし……。

 どう考えても二人に勝ち目はない。
 だけどこれで俺が先輩たちに勝てば、優に手出しできない。

 この勝負、なんとしても勝たなきゃ!


「愛良、君はいったい何を考えているの? 相手は三年生だし、ましてやバスケ部のエースなんだよ? 愛良に勝ち目はない。好きじゃないのならきちんと断って終わらせればいい。無理に付き合うこともないんだ」
 優は俺にしか聞こえない声で、この勝負は無謀だと言う。


 ーーああ、やっぱり優はどんな時でも優だ。

 今、苦しくて辛い筈なのに、こんな時でも俺を心配してくれる。
 彼はとても優しい。


 でもダメなんだ。

 ここで誰ともお付き合いしないって断ってしまえば、きっと先輩たちの怒りの矛先は優にいってしまう。
 今でもこんな状況なんだ。これで断れば、優がどんな目に遭うか。


 そんなの、考えたくもない。

 もう、優に傷ついてほしくない。
 迷惑をかけたくない。

 これは身から出たさび。
 俺自身がケリをつけなきゃいけないことなんだ。


「大丈夫、いい考えがあるから。それにほら、俺って運動神経いいし。絶対大丈夫だから」
 顔を青ざめながら心配してくれる優に安心してくれるよう、にっこり笑った。


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