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イケナイアソビ。
第9章 僕はキュートな吸血鬼
(四)
俺にとって優がどれだけ大切な存在なのかを思い知った昨日。
そしていつか、絶対に優と恋人同士になるんだ!!
うん、髪も乱れてないし、服装も大丈夫。
カバンの中から手鏡を取り出し、身だしなみをチェック。
今日こそ優に俺がどれだけ魅力的なのかっていうことを知ってもらうんだ。
よしっ!
「おはようっ!」
気合いを入れて二年三組のドアを開けた。
……んだけれど。
あれ?
いつもよりもずっと早くに学校にいる筈の優が、今日に限ってまだ姿が見えない。
これってどういうことだろう。
まさかとは思うけれど、昨日の怪我が悪化したのだろうか。
嫌な予感しかしない。
「ねぇ、優見なかった?」
優よりもずっと早い時刻に登校している陸上部の連中に訊ねてみる。
「えっ? 藤間? 見てないなあ」
「あ、オレ見たぜ。三年二人に呼び出されてた」
クラスのひとりが有力な情報をくれた。
呼び出されたっていうことは、先生や人目に付かない場所だろう。
『三年に呼び出される』
それはきっと俺がらみに違いない。
だって俺は食事をする時、いつも三年生を使うから。
同学年を食事にしようものなら来年、同じクラスになった時に色々と面倒なことになる。それを避けるための策略だった。
多分、先輩たちは俺が優と仲がいいからけん制してきたに違いない。
ーーともすれば、屋上か裏庭だ。
でも屋上は辿り着くまでに人目にさらされる。
三年二人が後輩を連れて校内をうろつけば何事かと思われるのがオチだ。
だとすると、優がいる場所はひとつしかない。
裏庭だ。
「ありがと、柏木(かしわぎ)」
お礼もそこそこに、裏庭へと走る。
二階の教室から裏庭までは走っても一〇分はかかる。この間、優は無事だろうか。もしかして、怪我が増えているかもしれない。
しかもまた俺の所為!
そんなの耐えられない。
息を切らし、全速力で走る。
その途中、先生が校舎内は走るなと注意してきたけれど、今はそんなことに構っている余裕も時間もない。
一刻も早く優を先輩の魔の手から助け出さなきゃいけないんだ!
走って、走って。
ようやく針葉樹しかない殺風景な裏庭に到着した俺は、周囲を見回し、人の気配を探る。

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