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イケナイアソビ。
第9章 僕はキュートな吸血鬼
雑誌の一ページを飾るモデルのようなその人の名前は藤間 優(とうま ゆう)。
優を好きになったきっかけは、一ヶ月前に遡る。
その日は九月半ばで夏も終わり、秋が始まる季節だっていうのに、とても暑かったのを今でも覚えている。
俺って昔から暑いところが苦手なんだ。
それで気分転換に外に出ようと考えたのが事の発端だった。
だけど普通に夜道を出歩くのはありきたりでしょう?
だから蝙蝠の姿になって夜の空を散歩しようと思ったんだ。
蝙蝠に変身して、部屋の窓から夜空へ飛んだ。
向かい風が気持ち好くて、小さな体で翼を動かしていたら、突然巻き起こった突風によって吹き飛ばされてしまったんだ。
でも、事はそれだけでは終わらなくて、風に吹き飛ばされた俺は地面に落ちるその過程で電線に引っかかったり、勢いよく電柱にぶつかるしで散々だった。
ちょっとの間気絶していた時、そこで優に出会った。その時は蝙蝠で、人間にとって気味悪がられても仕様のない姿をしていたのに、だけど優は違った。
躊躇いなく俺を拾い上げると部屋に入れて傷が出来た翼を懐抱してくれたんだ。
そこからだ。俺は優が気になって、気がついたらいつも優のことを目線で追って、顔を見ない時は今頃何をしているのかと考えるようになっていた。
優に恋をしたのなら、この容姿を使って同族にすることが一番手っ取り早い。
だけど悲しいかな。優は生まれつきなのか体が丈夫じゃないんだ。
人間から吸血鬼になると、少なからずとも一日、二日は送り込まれた魔力と吸血鬼のウイルスで三十八度近くの高熱を出し、風邪のような症状になる。
ただでさえ、優は体が弱くてすぐ高熱を出すのに、もし、優に吸血鬼のウイルスを送ったりなんかしたら、とても大変なことになる。
俺のわがままで優を殺しかねないんだ。
だから俺は優を同族にすることを諦めた。
ーーとはいえ、両想いになることは諦めてないよ。
なんとかアプローチして、俺が誰よりも魅力的だって優に知ってもらうんだ。そして晴れて優と恋人同士になって、俺なしじゃいられないようにする!
だけどね、淫魔の力を使うのは嫌だ。欲望を掻き乱してまで優を操作なんてしたくない。
そんなの少しも嬉しくない。
やっぱり、俺そのものに魅力を感じてもらわなきゃ意味がないんだ。

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