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イケナイアソビ。
第8章 恋して! ウェアウルフ
(十三)
朝の静けさの中で項垂れ、泣きじゃくる宝の声だけが響く。
斎と丞を拒絶する宝は、ひとりきりになることを願った。
これで自分の恋は終わる。
丞は罪を償うまで宝を傍に置く。自分ではない誰かを想いながらーー。
(いやだ、こんなの望んでない!!)
宝はただただ首を振り、唇を噛みしめる。
自分はけっしてそんなつもりで丞に抱かれたわけではない。
たとえ一夜の過ちであっても、それでも丞の腕の力強さや唇の感触。そして彼のぬくもりを知りたかっただけだった。
「……ごめんなさい。ごめんなさい。こんなつもりじゃなかったのに……」
自分が愚かだったのだ。恋を諦めきれず、側で見ているだけでもいいからと、いつまでもこの恋を引きずっていた自分が悪い。
その結果、好きな人を苦しめることも知らずに……。
宝は無責任な自分を責め続ける。
宝の嗚咽とむせび泣く声の中ーー。
「……それは本当なのか?」
ぽつりと呟く声があった。
そして次の瞬間、泣き崩れた宝の身体が力強い腕に包み込まれた。
宝は突然の出来事に息を詰める。
この力強い腕は知っている。
宝を抱いた、あの腕だ。
「俺は化け物で人間じゃない。どれだけ君の事を諦めようと努力したか……」
「!?」
(な……に……?)
果たして今、彼は何と言ったのだろうか。
流れ続けて止まなかった涙は、もう止まっている。
宝が顔を上げると、丞の腕はいっそうきつく抱きしめた。
「……しいな、さん?」
これは夢だろうか。
だって彼は自分を嫌っている、筈だ。
どんなに願ったって彼からの愛はない、筈だ。
それなのに、自分を抱きしめる丞はとても苦しそうにしている。
「好きだ。いつも君を見ていたんだ。初めて見た時から目を奪われて……可愛い子だと思っていた」
これは嘘だ。
彼はきっと哀れみを抱いているだけだ。
だってこれを鵜呑うのみにして、もし同情だったなら、とても悲しい。
自分は丞に愛されていないことを知った時に感じるのは絶望だけだ。
(信じちゃだめだ!)
宝は丞の言葉を信じないよう、首を振る。

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