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イケナイアソビ。
第8章 恋して! ウェアウルフ

「やはり、か……すまない。いや、謝って済む問題じゃないのは知っている。この罪はきちんと償って……」

「ーーっつ!」
(やめて!)
 自分の身を犠牲にした償いなんていらない。
 宝が欲するのはただひとつ、丞からの愛だ。

 しかし丞の心に宝はない。
 好かれてもいないのに、側にいてくれても少しも嬉しくはならない。

「いいんです、そんなの!!」
 だから言わなかった。
 自分を犠牲にしてまで責任を果たそうとするのが嫌だったから、宝は抱かれた事実を言わなかった。

 好きな人に自分を抱いたことで責任なんて感じてほしくなかったから……。
 だって丞に抱かれることを望んだのは宝本人だ……。
 けっして丞の責任ではない。
 謝られたら余計に自分が惨めになるだけだ。
「しかし!」
 尚も引き下がろうとしない丞に、宝は首を振った。
「気にしないで。こうなることが判っていて俺が勝手に付き添ったんだ。だから貴方が気追う必要なんて無い」
 宝はどう言えばいいのか判らず首を振る。
 ひとつ、またひとつと、潤んだ目から涙がこぼれ、散っていく……。
 どうにか丞に判ってもらいたくて説明しようと開く唇からは、嗚咽がせきあげてくるばかりだ。
「……どうしてこうなっちゃうの……」
 情事のこれを丞に見せた斎が恨めしい。

 宝は涙目のまま斎を睨みつけると、彼の腕を振り切り、その胸を叩く。

「どうして……どうして言うの? 昨日もーー今朝もーー今までだって、ずっとずっと好きっていう気持ちを言わないように我慢したのにっ!! これじゃあ椎名さんは自分を責めるじゃないかっ!! 俺が勝手に好きになって傷ついているだけなのに……斎さんのばかっ! ばかっ! 馬鹿ああっ!!」

「いてっ、痛てぇっ! やめろって!!」
 判っている。これはただの八つ当たりだ。
 それでも宝には斎が許せなかった。
 だって斎はこの恋に終わりを告げろとそう言っているようだ。
 ……あと少し。

 せめてもう少しだけ。
 丞を好きでいさせてほしかった。
 けれどもこの恋に終わりが来ることは判り切っていたことだ。

 先延ばしにしたって変わりはない。
 いや、それどころか丞への想いは大きくなり、ますます深みに填っていくだけだろう。

「……もう、想うことも許されないの……?」


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