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切り裂かれた衣
第3章 衣美と匠~共に過ごした日々~
 二階の勉強部屋は、匠の部屋を兼ねたシンプルな空間。木製の机に参考書やノートが整然と並び、壁にはサッカーのポスターと家族写真が飾られていた。

 窓からは夕陽が差し込み、部屋をオレンジ色に染める。衣美はトートバッグを床に置き、机の向かいに座った。

「じゃあ、匠君、今日は英語から始めよっか」

「はい…わかりました。英語……文法がちょっと苦手なんです」

 匠は少し緊張した様子で参考書を開く。衣美は笑顔でうなずき、教科書を広げた。ブラウスの袖をまくり、ペンを手に持つと、髪を耳にかける。

 匠はその動きに一瞬視線を奪われ、すぐに教科書に目を落とした。衣美は気づかず、問題集をパラパラとめくった。

「文法っていろいろややこしいよね。どれくらいわかるか、ちょっと教えてくれる?」

 衣美が柔らかい声で尋ねると、匠は「えっと…whoとかwhichはわかるけど、thatとかwhereが…」と少しもじもじしながら答えた。

 「ふふっ、そんな恥ずかしがらなくても大丈夫だよ。わからないところ、ゆっくりでいいから勉強していこうね」


 衣美は笑顔でノートに例文を書き始めた。衣美がペンを動かすたびに、腕に着けたブレスレットがカチャリと小さく音を立てた。その音は匠をドキッとさせた。

 衣美は説明しながら、時折髪を指で軽く払ったり、机に肘をついて少し前傾みになった。その自然な仕草に、匠の心臓は少し速くなる。衣美の香りがふわりと漂いボーとした匠に衣美が優しく微笑んだ。

「ほら、この文、thatとwhichどっちが正しいと思う?」

 衣美が問題を指差すと、匠は慌てて「え、that…かな?」と答えた。

「うん、正解! いい感じ!」

 衣美は笑顔で手を叩くと匠は照れながら「ありがとう…」とつぶやいた。

 衣美の明るい声と笑顔に、匠は少しずつ緊張が解けていくのを感じた。

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