パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第39章 甘いお仕事

　当たり前だよね……。キャンプの時に酔っぱらって大翔お兄ちゃんと間違えてキスしちゃったし、大翔お兄ちゃんとセックスしてること、自分からばらしちゃったんだもん……疑われて当たり前だよ……。


「しっかりと昼食は取ったか？」

「……え？」


　ハッと我に返ると、隣の運転席から一ノ瀬さんが話しかけていた。


「あ、はいっ……。大翔お兄ちゃんと食べました！」


　私は慌てて答える。
　そうだった、さっきロビーで集合して、今は一ノ瀬さんの車ですみれ洋菓子店へ向かっているところだった。


「昼食後で眠いかもしれないが、気を引き締めてほしい」

「は、はいっ……」


　私は両手で頬をパンパン叩いて、前方を見た。そのとき隣から「ふっ……」と笑い声が聞こえてドキッとした。


「気合いは入ったか？」


　あっ……笑ってる？


「はいっ……入ったと思います」


　どうしよう、嬉しい……。


「……」


　でもそれからずっと無言になってしまった。話しかけたくても話せない空気で、私は流れていく窓の景色を見ることしかできなかった。