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燃えて、おぼれて、尽き果てるまで ~白く滲んだスターマイン~
第5章 白く滲んだスターマイン ~熱海の花火の夜~ -完-

初めて一緒にお酒を飲みながら少し早い夕食をホテルの日本料理店で済ませ、部屋へ戻って軽くシャワーを浴び、浴衣に着替えたところでちょうど花火が始まろうとしていた。
手をつないでバルコニーへ出ようとすると、生ぬるくなった露天風呂のかすかに揺れる表面に昇りかけの丸い月が映りこんでいて風情があったが、湿めり気を含んだ不快な風と両隣の部屋のバルコニーからすぐそばで聞こえる家族連れの嬌声に興ざめして、ふたりは部屋の中へ戻ることにした。
バルコニーへのガラス戸を閉めると打ち上がったばかりの大玉が炸裂し、一瞬遅れて振動と音がふたりの体に伝わった。
部屋の灯りを消すと、大きなガラス越しに外をはっきりと見ることができる。
「このほうが涼しいし、静かでいいね」
「うん、邪魔されなくていいわ」
ふたりは腕をお互いの体に回して、窓辺に張り付いた。
はじける花火の鮮やかな色と音と振動とが、ついさっきあれほど満たされたはずのふたりの官能に再び強い刺激を与えた。
さまざまな光を映し出す真っ暗な海面を見ながら、腰に回していた遼一の手が悦子の浴衣の前身頃から差し込まれ、何もつけていない胸をとらえると、彼女は黙ってその手を上から押さえた。
手をつないでバルコニーへ出ようとすると、生ぬるくなった露天風呂のかすかに揺れる表面に昇りかけの丸い月が映りこんでいて風情があったが、湿めり気を含んだ不快な風と両隣の部屋のバルコニーからすぐそばで聞こえる家族連れの嬌声に興ざめして、ふたりは部屋の中へ戻ることにした。
バルコニーへのガラス戸を閉めると打ち上がったばかりの大玉が炸裂し、一瞬遅れて振動と音がふたりの体に伝わった。
部屋の灯りを消すと、大きなガラス越しに外をはっきりと見ることができる。
「このほうが涼しいし、静かでいいね」
「うん、邪魔されなくていいわ」
ふたりは腕をお互いの体に回して、窓辺に張り付いた。
はじける花火の鮮やかな色と音と振動とが、ついさっきあれほど満たされたはずのふたりの官能に再び強い刺激を与えた。
さまざまな光を映し出す真っ暗な海面を見ながら、腰に回していた遼一の手が悦子の浴衣の前身頃から差し込まれ、何もつけていない胸をとらえると、彼女は黙ってその手を上から押さえた。

