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燃えて、おぼれて、尽き果てるまで ~白く滲んだスターマイン~
第4章 秘密の会話 ~深夜のLINE~

 表通りの脇道に面したホテルの重厚なエントランスドアを開けると、チェックアウトのビジネス客がチラとうかがう視線を投げてきたが、遼一は臆することなくフロントでカードキーを受け取ると悦子を前に立たせてエレベータのボタンを押した。
 6人乗りの狭いエレベータにふたりが乗ってドアが静かに閉まり、行先ボタンを押してから遼一は悦子を正面から抱きしめてキスをした。

「早く逢いたかったの」
「ぼくも」

 到着チャイムが鳴るまでの何秒かさえ惜しいほどふたりとも気持ちの高ぶりを抑えることができず、部屋に入るとハンドバッグを手にしたまま、悦子は遼一の首にしがみついてきた。
 内鍵をかけたドアに背をあずけて悦子を抱きとめた遼一が彼女の腰を抱えるようにして抱き上げたとき、樹脂タイルの床を離れた足からハイヒールが乾いた音を立ててポトリと落ちた。

 短い玄関ホールの先のルームドアを恭一は悦子を抱いたまま器用に開き、中に入ってから彼女を降ろすと後ろ手でドアを閉めてそのまま一緒にベッドへ倒れ込むと、悦子が小さく「キャッ」と声を上げた。
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