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燃えて、おぼれて、尽き果てるまで ~白く滲んだスターマイン~
第3章 初めての密会 ~西新宿のホテル~

「女子のは薄いからすぐ乾くんですよ」

 そのことばどおり、ショーツもストッキングも簡単に乾き、悦子の手に返された。

「いつもそんなふうにしてあげてたのね。」

 恥ずかしさをあきらめて、少し嫉妬気味ににらんだ悦子に
「出張の時に自分の下着とシャツを洗ってますから」

 弁解がましく遼一は答えてからシャワーを浴びるためにバスルームへ向かった。

 やがて自身の下着も濡れた部分を軽く洗ってから履きなおし、バスローブをつけずに出てきた遼一は、窓際で眼下の日常を眺めている悦子を黙って後ろから抱きしめた。

「富士山が見えるわ」
 と言う悦子の口をふさぎ、襟元から手を差し入れて小ぶりな胸を直接しっかりと掌にとらえると、もう彼女は何の抵抗もせずに遼一の首に両手を回して離さなかった。

 しかし顔を離した遼一は悦子の膝裏に手を差し伸ばすと、ひょいとお姫様抱っこして彼女を抱えてから改めて唇を合わせようとした。

「怖い、降ろして」
「大丈夫」

 しがみつく悦子を遼一は、後ろにあるベッドまで運ぶと、倒れ込むようにして彼女を降ろし、少し乱暴にリネンカバーを剥いだ。

「重かったでしょ」
「ううん、軽かった」
「誰かと比べて?」
「比べる相手なんていません!」
「うそばっかり」

 下から上目遣いで眉を動かす悦子の口をふさぐと、遼一はその日一番の力を込めて彼女を抱きしめた。
 それから悦子は自分が遼一の腕の中で何度絶頂を迎えて叫んだか思い出すことができなかった。

 冷静ではなかった中でも一抹の不安があった悦子だったが、遼一がパイプカットを済ませていることを知って、自分ばかりが絶頂の渦におぼれていた彼女は強く遼一を求めた。
 
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