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独りの部屋
第30章 背中合わせの温度

「ねえ……恥ずかしがってる顔、すごく綺麗」
耳元でそう囁かれて、紗耶は肩をすくめた。
背後にいる詩織の指が、制服のブラウスの裾をゆっくりと摘まんでいる。
ボタンを開けられていくたびに、胸の鼓動が強くなるのが自分でもわかる。
「や、やだ……見ないで……」
振り向けない。恥ずかしくて。
けれど詩織は、背中越しにやさしく笑った。
「見ないなんて、無理」
その声が甘く濡れていて、逃げ場を奪っていく。
指先が、肩甲骨のあたりをなぞる。
そのまま、肌の上にそっと唇が触れた。
ちゅ、と音がして、紗耶は思わず声をこぼす。
「こんなとこ、誰にも見せたことないでしょ」
詩織の指が、背中の留め具にそっと触れる。
「わたしだけ、知ってるの。あなたがどんなふうに赤くなるか」
その一言が、羞恥をさらに煽っていく。
身体よりも先に、心が溶けてしまいそうだった。
完
耳元でそう囁かれて、紗耶は肩をすくめた。
背後にいる詩織の指が、制服のブラウスの裾をゆっくりと摘まんでいる。
ボタンを開けられていくたびに、胸の鼓動が強くなるのが自分でもわかる。
「や、やだ……見ないで……」
振り向けない。恥ずかしくて。
けれど詩織は、背中越しにやさしく笑った。
「見ないなんて、無理」
その声が甘く濡れていて、逃げ場を奪っていく。
指先が、肩甲骨のあたりをなぞる。
そのまま、肌の上にそっと唇が触れた。
ちゅ、と音がして、紗耶は思わず声をこぼす。
「こんなとこ、誰にも見せたことないでしょ」
詩織の指が、背中の留め具にそっと触れる。
「わたしだけ、知ってるの。あなたがどんなふうに赤くなるか」
その一言が、羞恥をさらに煽っていく。
身体よりも先に、心が溶けてしまいそうだった。
完

