この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
独りの部屋
第21章 見るだけなのに
「見るだけでいいって言ったでしょ?」

沢村さんの声は、潮風よりも低く、熱を帯びていた。
岩陰の入り江、誰にも見られない場所で、彼女は水着の紐をほどき、背をわたしに向けた。
日焼けひとつない、滑らかな背中。振り返ることなく、彼女は自分の脚をそっと開いた。

「ほら、ちゃんと見て。教えてあげる」

三十になっても、こんなこと、一度もなかった。
異性とも付き合ったことがない私が、ただ見ている。
けれどその「見るだけ」は、思っていたより、ずっと濃密で、
脈打つような感覚が、視線から身体の奥に伝わってくる。

沢村さんは、自分の指を滑らせながら、わたしの目をまっすぐに捉えた。
羞恥も、照れも、そこにはなかった。
あるのは、すべてを知っていて、すべてを許す、成熟したやさしさだけ。

「こんなふうに、自分で知るのも大事よ。…あなたも、触れてみたくなったら、言って」

わたしの喉が、ごくりと鳴る。
潮の香りが満ちる中、胸の奥だけが、ざわついていた。

ただ、見るだけのはずだったのに。

/37ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ