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独りの部屋
第17章 鏡の中で
蒸しタオルのような空気が、湯上がりの肌にまとわりつく。
バスルームの鏡は、彼女の指先で拭われ、静かに姿を現した。

「ほら、見て。こんな顔してる」
背後から抱きすくめられながら、わたしは彼女の胸のなかに収まっていた。
ふたりの裸が、鏡の中で重なる。
水滴のように汗ばむ肩と肩。
指先が、わたしの鎖骨をたどりながら、鏡ごしに視線を絡めてくる。

「鏡、見て。わたしの指が、ここを触ってる」
胸の尖りを指で撫でられ、ゾクリと背筋が反応する。
見られている。触られている。
そのふたつが同時にくると、逃げ場のない快楽になる。

「こっちも、濡れてる」
脚のあいだへ滑り込んだ指先が、粘ついた蜜をゆっくり広げていく。
音を立ててはいけないのに、
くちゅ……という湿った音が、室内に響いてしまう。

わたしは、鏡のなかの自分に目を逸らせない。
恥ずかしさと欲しさが混じった顔。
頬が紅潮し、胸が上下して、
そのすべてを、彼女に見せつけられている。

「もっと、きれいになってる」
唇を耳に寄せて、熱く囁く彼女。
そして舌先が、うなじを這う。

そんなの、どうして耐えられるだろう。

腰が震え、膝が折れそうになったとき、
彼女の手がしっかりとわたしを支えた。
その手のぬくもりに、わたしはまた溺れていく。

「最後まで、ちゃんと見てて。ふたりで気持ちよくなるとこ」
鏡の中のわたしたちは、もう別の世界にいるみたいだった。
指と舌と視線で交わりながら、
ふたりは静かに、深く、溶け合っていった。
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