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独りの部屋
第16章 揺れる日曜の朝

耳を澄ませば、鳥の声。
遠くで新聞配達のバイクが走り去る音。
それだけの、静かな日曜日の朝。
けれど、なにか――不穏なものが、
窓の向こうにじっと潜んでいるような気がした。
その気配に気づいていたのか、彼女の腕が、わたしを強く引き寄せる。
「大丈夫、ここにいて」
囁きとともに、やさしい指が、わたしの胸元にそっと触れる。
朝の光のなか、白く柔らかなシーツに包まれた肌が、
彼女の舌で湿っていく。
乳首を吸われるたび、
小さく震えるわたしの声が、部屋の中にこぼれる。
「ねぇ……まだ、朝なのに……」
そう言いかけたくちびるも、彼女の舌で封じられた。
くちゅ……と音を立てながら、脚のあいだへ指が滑りこむ。
すでに熱く濡れていたそこを、彼女は確かめるように、
舌で深く掬い上げる。
舌先が粒をなぞる。
そのたびに、ぞくりと背筋が反応してしまう。
外の不安を、心のどこかで感じながら、
身体だけが欲望に沈んでいくのが、たまらなく怖くて、そして甘い。
「全部、忘れさせてあげるから」
囁いた彼女が、舌を奥まで沈めてきた。
くちゅ、じゅる、じゅぶ……
湿った音が、朝の静寂をわずかに震わせる。
外の世界がどうであれ、
彼女の舌と指の中でわたしは、確かに生きていた。
完
遠くで新聞配達のバイクが走り去る音。
それだけの、静かな日曜日の朝。
けれど、なにか――不穏なものが、
窓の向こうにじっと潜んでいるような気がした。
その気配に気づいていたのか、彼女の腕が、わたしを強く引き寄せる。
「大丈夫、ここにいて」
囁きとともに、やさしい指が、わたしの胸元にそっと触れる。
朝の光のなか、白く柔らかなシーツに包まれた肌が、
彼女の舌で湿っていく。
乳首を吸われるたび、
小さく震えるわたしの声が、部屋の中にこぼれる。
「ねぇ……まだ、朝なのに……」
そう言いかけたくちびるも、彼女の舌で封じられた。
くちゅ……と音を立てながら、脚のあいだへ指が滑りこむ。
すでに熱く濡れていたそこを、彼女は確かめるように、
舌で深く掬い上げる。
舌先が粒をなぞる。
そのたびに、ぞくりと背筋が反応してしまう。
外の不安を、心のどこかで感じながら、
身体だけが欲望に沈んでいくのが、たまらなく怖くて、そして甘い。
「全部、忘れさせてあげるから」
囁いた彼女が、舌を奥まで沈めてきた。
くちゅ、じゅる、じゅぶ……
湿った音が、朝の静寂をわずかに震わせる。
外の世界がどうであれ、
彼女の舌と指の中でわたしは、確かに生きていた。
完

