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わたしのお散歩日記
第4章 美しいランナー
 今日は公園の中を抜けてみる。公園にはランニングコースがあるから多くの人が走りに来ている。大きな円を一周すると500メートルくらい。地面が青く舗装されたところがランナーのためのコース。

 わたしはその横を歩きながらランナーたちとすれ違う。ランナーたちの中でわたしの目を引く人がいる。男性ではなく女性。世代はたぶんわたしの少し上。清楚な雰囲気。とにかくカッコイイ。すらっと背も高いし。眉も目鼻立ちもくっきりしているからメイクもナチュラル。もしかしたらノーメークかも。そんなにがむしゃらに走ってる風ではないのに、結構スピードは速い。首からタオルをさげてゆるゆる走っているオジサンランナーたちをすいすい抜いていく。

 その人と出会えた日は、わたしはコースわきのベンチに腰を下ろす。そしてその人が走ってくるのを楽しみにして待っている。出待ちのファンみたい。あの人がカーブの向こうから姿を現わした。額やうなじ、二の腕に汗がうっすら浮かんでいる。美しい人は汗まできれいに見える。

 『頑張ってくださぁい』

 そう声を掛けたくなる。掛けたことはないけど。

 『ありがとう。あなたも頑張ってね』

 なんだかそんな返事をしてくれそう。わたしはなにも頑張っていないけど。そういう優しい雰囲気のある人。わたしはどぎまぎしてそれ以上何も言えないだろうな。このどぎまぎ感、高校生の頃、あこがれていた先輩に声を掛けられた思い出がよみがえる。そうか、あの先輩に似ているんだ、この人。

 『みの屋でクリームソーダ飲もうよ。おごってあげる』

 先輩に声を掛けられてうれしかった。学校の裏門の狭い駄菓子屋でクリームソーダを飲んだ。狭い店だから長椅子に並んで座って。わたしは赤くなって緊張している。駄菓子屋のおばちゃんが店の奥に引っ込んだとき、先輩が不意にわたしの頬にキスをした。
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