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わたしのお散歩日記
第7章 ノープラン

気を取り直して歩き始めると、今度はおじさんの二人連れに声を掛けられた。なんというか、見るからにいやらしそうなおじさん…。おじさんたちはニヤニヤしながら言った。
『おねえちゃんたち、修学旅行でしょ? おじさんたちといっしょに遊ぼうよ。旅の思い出にさ』
A子もさっきは穏やかに断っていたけど、さすがに今度は怒鳴ってしまうかも…。そう思っていたら、A子は黙っている。
(えっ? どういうこと?)
『お小遣いもあげるからさ…』
『す、すみません、あの、えーと、〇〇寺に行かないといけないのでっ…』
わたしはしどろもどろになりながらも、A子のセリフをまねして言うと、A子の袖を引っ張ってその場から逃げるように走った。
『どうして黙ってたの? さっきと全然違うじゃない』
『どうして…って、あの二人、あなたのタイプじゃなかったの?』
『そ、そりゃそうでしょ、あんなスケベそうなおじさんなんか』
『そうなの? それならよかったけど、そうじゃないのに、わたしが断っちゃったらあなたに悪いと思って』
またしても、A子の意思ではなく、あんなおじさんたちがわたしのタイプかもしれないから、という理由に、さすがに少しムッとしてしまったけど、A子とトラブルを起こしてしまっては知らない街で本当に迷子になってしまうよりはいいかな、と思うことにした。
『それにしても、A子が何にも言わないから、わたし、焦っちゃったよ。びっくりさせるんだから、もう』
『まあ、なんとなく、”旅の恥は掻き捨て”かなって思ったから』
(もしかして…、いや、もしかしなくても、A子ってああいうおじさんって”アリ”なんだ…)
『わたし、余計なこと言っちゃったかな…』
『ん? あはは、気にしてるの? 断ってくれてよかったよ』
『そう? やっぱりそうよね』
(いくらなんでも、ああいうおじさんは”ナシ”だよね…)
『だって、”お小遣いもあげるから”とか言って、お金で釣ろうとするなんて、いい歳して自分に自信がないってことでしょ』
(そこなんだ…)
勉強ができる子って、やっぱり考えることがどこか違う、って思った。
…ふと、そんなことを思い出しながら、今日もノープランで歩いている。前から、ちょっといやらしそうな感じのおじさんが来たけれど、そのまますれ違って行ってしまった。
『おねえちゃんたち、修学旅行でしょ? おじさんたちといっしょに遊ぼうよ。旅の思い出にさ』
A子もさっきは穏やかに断っていたけど、さすがに今度は怒鳴ってしまうかも…。そう思っていたら、A子は黙っている。
(えっ? どういうこと?)
『お小遣いもあげるからさ…』
『す、すみません、あの、えーと、〇〇寺に行かないといけないのでっ…』
わたしはしどろもどろになりながらも、A子のセリフをまねして言うと、A子の袖を引っ張ってその場から逃げるように走った。
『どうして黙ってたの? さっきと全然違うじゃない』
『どうして…って、あの二人、あなたのタイプじゃなかったの?』
『そ、そりゃそうでしょ、あんなスケベそうなおじさんなんか』
『そうなの? それならよかったけど、そうじゃないのに、わたしが断っちゃったらあなたに悪いと思って』
またしても、A子の意思ではなく、あんなおじさんたちがわたしのタイプかもしれないから、という理由に、さすがに少しムッとしてしまったけど、A子とトラブルを起こしてしまっては知らない街で本当に迷子になってしまうよりはいいかな、と思うことにした。
『それにしても、A子が何にも言わないから、わたし、焦っちゃったよ。びっくりさせるんだから、もう』
『まあ、なんとなく、”旅の恥は掻き捨て”かなって思ったから』
(もしかして…、いや、もしかしなくても、A子ってああいうおじさんって”アリ”なんだ…)
『わたし、余計なこと言っちゃったかな…』
『ん? あはは、気にしてるの? 断ってくれてよかったよ』
『そう? やっぱりそうよね』
(いくらなんでも、ああいうおじさんは”ナシ”だよね…)
『だって、”お小遣いもあげるから”とか言って、お金で釣ろうとするなんて、いい歳して自分に自信がないってことでしょ』
(そこなんだ…)
勉強ができる子って、やっぱり考えることがどこか違う、って思った。
…ふと、そんなことを思い出しながら、今日もノープランで歩いている。前から、ちょっといやらしそうな感じのおじさんが来たけれど、そのまますれ違って行ってしまった。

