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わたしのお散歩日記
第5章 商店街の本屋さん

『もやもやする夜、わたしはこうしてます』。行き届いてるわね…。ティーンじゃないけど買っちゃおうかしら。でも、こんなの、家に置いておけないし。でも買いたい…。今ならお店にはわたししかいないんだし。箪笥の奥に隠しておけばいいわ。ええい、買っちゃえ…。でも、これだけ買うのもちょっとね…。
ああ、そうだ、いつも買ってる雑誌と一緒に…。ええと、あの雑誌は外に並べてあったわね…。ああ、ドキドキする。でも、恥ずかしいのは一瞬だけ…。それなら、もう1、2冊買っちゃおうかしら…。いけない、誰かお店に入ってきそう…。棚から適当に2冊の雑誌を取り出す。それにティーン向けの雑誌、そして、いつも買っている女性雑誌をいちばん上にのせてお勘定する。わたしは顔を背けてお勘定が終わるのを待っている。
「ええと、〇〇〇円…これが…〇〇〇円…」
ああ、そんな、いちいち吟味するみたいにしてないで早くお勘定終わらせてください。恥ずかしいじゃない…。あの、これ、あの、わたしが読むんじゃないんです、あの、人に頼まれて仕方なく…って、つまらない言い訳を頭の中で無理やり考えているのは昔と一緒ね…。
ようやくお勘定が済む。走り出したい気持ちを抑えてお店を出る。結構重たい紙袋を抱えてお家に急ぐ。ああ、なんだかすごい高揚感。
…んもう、信号変わりそう。だめだめ、こういうときこそ落ち着いて。こんなの抱えたまま車にはねられたら目も当てられないじゃない。
…公園のベンチでちょっと見ちゃおうかしら。だめだめ、こういうときに限ってご近所の奥さんが現れるんだから。
やっと家に着いた。いつもより汗ばんでる。紙袋を破って買った雑誌に対面…。手当たり次第に買ったあとの2冊は…。『我が家で楽しむ盆栽12カ月』と『白物家電新製品カタログ』だった。想像していたものとかけ離れた2冊の雑誌。手ざわりとか色味の感じとかに違和感はなかったのだけど…。なんで、あの棚に並べてあるのよ…。
”あの、これ、あの、わたしが読むんじゃないんです”…っていう、つまらない言い訳のとおりになっちゃった。ああ、もやもやする…。
『あわてんぼうなんだから』
ティーン雑誌の表紙の女の子が笑ってる。わかったわ、今度は落ち着いて本当に買いたい雑誌を買うから。そのかわり、もやもやする夜どうしてるか教えてね。
ああ、そうだ、いつも買ってる雑誌と一緒に…。ええと、あの雑誌は外に並べてあったわね…。ああ、ドキドキする。でも、恥ずかしいのは一瞬だけ…。それなら、もう1、2冊買っちゃおうかしら…。いけない、誰かお店に入ってきそう…。棚から適当に2冊の雑誌を取り出す。それにティーン向けの雑誌、そして、いつも買っている女性雑誌をいちばん上にのせてお勘定する。わたしは顔を背けてお勘定が終わるのを待っている。
「ええと、〇〇〇円…これが…〇〇〇円…」
ああ、そんな、いちいち吟味するみたいにしてないで早くお勘定終わらせてください。恥ずかしいじゃない…。あの、これ、あの、わたしが読むんじゃないんです、あの、人に頼まれて仕方なく…って、つまらない言い訳を頭の中で無理やり考えているのは昔と一緒ね…。
ようやくお勘定が済む。走り出したい気持ちを抑えてお店を出る。結構重たい紙袋を抱えてお家に急ぐ。ああ、なんだかすごい高揚感。
…んもう、信号変わりそう。だめだめ、こういうときこそ落ち着いて。こんなの抱えたまま車にはねられたら目も当てられないじゃない。
…公園のベンチでちょっと見ちゃおうかしら。だめだめ、こういうときに限ってご近所の奥さんが現れるんだから。
やっと家に着いた。いつもより汗ばんでる。紙袋を破って買った雑誌に対面…。手当たり次第に買ったあとの2冊は…。『我が家で楽しむ盆栽12カ月』と『白物家電新製品カタログ』だった。想像していたものとかけ離れた2冊の雑誌。手ざわりとか色味の感じとかに違和感はなかったのだけど…。なんで、あの棚に並べてあるのよ…。
”あの、これ、あの、わたしが読むんじゃないんです”…っていう、つまらない言い訳のとおりになっちゃった。ああ、もやもやする…。
『あわてんぼうなんだから』
ティーン雑誌の表紙の女の子が笑ってる。わかったわ、今度は落ち着いて本当に買いたい雑誌を買うから。そのかわり、もやもやする夜どうしてるか教えてね。

