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誰にも言えない回顧録
第3章 28歳 大学職員~続編
すっかり大人びた二人なのに、その行為は最初から同じことの繰り返しでもあった。
声憚ることなく彼女を乱れさせたい、そう思うこともあった。
時折彼女のほうから私の身体を求めるそぶりを見せられることもあった。
だが私はいつも「その先」を望もうとする自分を拒んだ。

心のどこかで思っていた。
このままずっと続けていいことではない、と。
きっと先輩も同じように考えていたのだと思っている。

進路について話があったのは夏過ぎのことだった。
定位置の一つ、来賓用トイレの個室内。
海洋科学を学ぶため卒業後イギリスの大学へ進む準備をしたい、という初めて聞かされる話。
驚きはしたものの、彼女の関心の広さには常々接していたから納得のいく話だった。

その納得は、区切りを付けることへの納得でもあった。
制約してはいけない。
ここで終わりにしよう。
そう切り出そうとした瞬間、先輩の口から思いもしなかった言葉が飛び出した。

受け取ってほしいものがあるの
神妙な表情でそう言われ、想像も出来ずに次の言葉を待つ。
私の、処女...
意図が分からず声を呑む私に、彼女は黙って鞄から何かを取り出した。

それは、真空包装されたセルヴェラートヴルスト、というドイツ製のドライソーセージだった。
彼女が手にしたそれの長さ、太さ。
この状況では一目見ただけで彼女の意図が理解できた。

とはいえ。
こんなところで。
ひとしきり睦み合い、まだ身繕いもしていない状況での会話だった。
だけれど。
逆に状況を整えて仕切り直すというのも不自然なことに思えた。

受け取ります
忙しくなるんですから...今日で..最後にしましょう..
それだけ言うと、私は彼女の手からセルヴェラを取り上げ、静かに開封した。
品の良い燻製の香りがふわりと漂う。

なんとなく握りしめた私の手元を先輩が見つめている。
齧ろうとすれば相当食感は堅そうだが、乾燥し燻されたその肉塊は、私の指の間から緩やかに反り返り、卑猥な弾力を持つ手応えがあった。

家に..あったの...
掠れ声で言う先輩を壁に押しやり、背中をつけて立たせる。
睦み合った直後だから、上は着たまま前がはだけ、乳房が覗けている。
スカートもパンティも脱ぎ去り、下半身はむき出し。
見慣れた痴態も今日で最後。
そう思うと、感傷が込み上げる。

両脚を大きく開かせた。
先輩が、目を閉じた。
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