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誰にも言えない回顧録
第3章 28歳 大学職員~続編
大学も今まで通った中学・高校と同じ敷地内にあった。
何の変化もない時間。
授業は普通に受けるが、友達を作るでもなく何かに参加するでもなく、ただ自宅と大学を往復するだけの生活だった。
多少目を引くような容姿ではあったから街なかで声を掛けられる機会もなくはなかったけれど、男性恐怖症のような状態に陥っていた私にはいつも逃げ出すことしかできなかった。
家では夜な夜なパソコンと向き合う日々だった。
授業で与えられた課題をする必要もあったけれど、人恋しくなってはオンラインゲームをかじってみたり匿名でやれそうなマッチングサイトを覗いてみたり。
でもそこでのコミュニケーションにすぐ幻滅してやめてもしまうのだった。
3年生になり、夏に至っていよいよ内心焦りが生じていた。
仲間がいない私には情報交換のすべもなく、周囲が実際卒業後に向けてどんな準備をしているものか皆目分からずにいた。
何に対してもさしたる興味を持っていなかった私には自分から行動する動機付けすら見出せないでいたのだ。
学内の就職課に行ってみても、そこの人たちもさほど親切ではなかった。
ネットで情報検索し始めてみて、展開されている定説に比べ自分自身の温度がかなり低かったことに慄いた。
秋になり、自分もいっばしにリクルートスーツを購入して説明会など出向いてみたけれど、ただのこのこそこへ行った自分と、準備万端で臨んでいる他の学生とでは差が歴然だった。
半ば呆然とした思いで競う前から諦めてしまった私は、細々と求人を出しているような小さな会社だったら穏やかに勤められるのでは、と考えるようになった。
それでも大学生活を通して特段何もしていなかった私には、所定の履歴書をそれなりに書き上げるということすら難しかった。
いつも白紙の履歴書を持ち歩き、事あるごとにどう書いたものか思いを巡らせるのが日課になった。
大学の帰り道に立ち寄ったカフェでのことだった。
駅の外れに佇むそのお店は古びているせいかチェーン店なのだけれど学生は寄り付かない。
一人でも安心して長居できそうな落ち着いた雰囲気が好きだった。
コーヒーだけ頼んでカバンから出そうとした時に、手元が誤って拙い下書き中だった履歴書が机から落ちた。
たまたま空調の送風に乗ったか、隣席の足元まで飛んでいってしまう。
それをすっと拾い上げてくれたのがその人だった。
何の変化もない時間。
授業は普通に受けるが、友達を作るでもなく何かに参加するでもなく、ただ自宅と大学を往復するだけの生活だった。
多少目を引くような容姿ではあったから街なかで声を掛けられる機会もなくはなかったけれど、男性恐怖症のような状態に陥っていた私にはいつも逃げ出すことしかできなかった。
家では夜な夜なパソコンと向き合う日々だった。
授業で与えられた課題をする必要もあったけれど、人恋しくなってはオンラインゲームをかじってみたり匿名でやれそうなマッチングサイトを覗いてみたり。
でもそこでのコミュニケーションにすぐ幻滅してやめてもしまうのだった。
3年生になり、夏に至っていよいよ内心焦りが生じていた。
仲間がいない私には情報交換のすべもなく、周囲が実際卒業後に向けてどんな準備をしているものか皆目分からずにいた。
何に対してもさしたる興味を持っていなかった私には自分から行動する動機付けすら見出せないでいたのだ。
学内の就職課に行ってみても、そこの人たちもさほど親切ではなかった。
ネットで情報検索し始めてみて、展開されている定説に比べ自分自身の温度がかなり低かったことに慄いた。
秋になり、自分もいっばしにリクルートスーツを購入して説明会など出向いてみたけれど、ただのこのこそこへ行った自分と、準備万端で臨んでいる他の学生とでは差が歴然だった。
半ば呆然とした思いで競う前から諦めてしまった私は、細々と求人を出しているような小さな会社だったら穏やかに勤められるのでは、と考えるようになった。
それでも大学生活を通して特段何もしていなかった私には、所定の履歴書をそれなりに書き上げるということすら難しかった。
いつも白紙の履歴書を持ち歩き、事あるごとにどう書いたものか思いを巡らせるのが日課になった。
大学の帰り道に立ち寄ったカフェでのことだった。
駅の外れに佇むそのお店は古びているせいかチェーン店なのだけれど学生は寄り付かない。
一人でも安心して長居できそうな落ち着いた雰囲気が好きだった。
コーヒーだけ頼んでカバンから出そうとした時に、手元が誤って拙い下書き中だった履歴書が机から落ちた。
たまたま空調の送風に乗ったか、隣席の足元まで飛んでいってしまう。
それをすっと拾い上げてくれたのがその人だった。

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