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誰にも言えない回顧録
第3章 28歳 大学職員~続編
抱き締めながら圧し掛かるように壁に押し付けた先輩の肉体。
華奢ながら驚くほどの強さで二度三度と大きく私を押し返すように波打った。
迸らせかねなかった嬌声が、鼻先から不自然な低い呻きとなって漏れる。

慄きが収まったところで密着を解いた。
うつろな視線にぬめって光る指先を見せつけると、ひどくたじろぐ。
いや...
思わず瞼を瞑るさまがひどくいじらしい。

一部始終が。
白昼夢を見る思いだった。
昨日の出来事の途中から、うっすらと感じていた。
この人は、ひょっとしたら。
心の奥底に知らずしらず抱えていた被虐心。
肉体の成育とともに、朧げな違和感だけは生まれて。
でも実際にどうとすることも出来ず困惑にだけ苛まれて過ごしていた私と同類のような人だとしたなら。

それが昨日、そして今。
私という他者に唐突に踏み込まれ、とうとう探り当てられてしまった、のだったら。
その戦慄と陶酔たるやいかほどのものだろう。
昂ぶり、歓喜し、恍惚となる自分の肉体。
でも身を置く自身の日常と、認識した渇望とのあまりの乖離。
のめり込みそうになる自分に対して、不安と恐怖を感じてもいるに違いないのだ。

もしも。もしも、そうだとしたなら。
かつての幼かった私が、パパに与えられて従順に身も心も委ねたように。

絶対に内緒
二人だけの秘密
守られる安心、安全。
それを示してあげられたら。
この人はいったいどうなるのだろうか...

見せつけていた手指をハンカチで拭い、あらためて微笑みかける。
呆然と立ち尽くしていた先輩が、我に返ったように身をすくめた。
再び壁に押し付けるように抱きすくめ、耳元に囁く。

先輩...
先輩は..こんなにいけない子だったんですね...
美術室のまどろんだ空気の中、静かに発した言葉に先輩がはっきりと息を吞む。

露わになったままの下腹部にそっと汗ばんだ私の掌を置く。
指先を伸ばして濡れそぼった陰毛に纏わりつかせながらさらに畳みかける。

今は隠さなくていいんです
このことは先輩と私だけの秘密です
絶対に誰にも知られることはありません
だから安心して
望んでいることをおっしゃってください
楽になれますよ
それに...きっと、もっと気持ちよくなれますよ...

一言ひとことを耳に吹き込むにつれて、先輩が黙ったまま呼吸を荒げていく。

次第に。
先輩の脚が、自らの意思で開き始めた。
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