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わたしの昼下がり
第37章 PTAの会合
 『どなたか△井さんのお知り合いでも紹介していただければ…』
 『わかりました。奥さん、お察しの通り知り合いもなくはありません。それとなく当たってみましょう。それにしても同じ団地の中でいいご友人が見つかってよかったですね。同じクラスの娘さんの母親同士であり、PTAの役員同士であり、間男を団地で咥え込んでいる奥さま同士であり、そんな秘密を隠し持っている女同士であり…。△号棟の奥さまにも是非女の悦びを味わっていただきたいですね。それはそうとして、奥さん、パートなんかに出ないでくださいね。奥さんがパートなどに行かず、ずっとお家にいてくださったからこその御縁なんですから。では、奥さんに見限られないようにもう一回…』

 そんな妄想をしてしまった。

 「パートに出ずにずっとお家にいてもいいこともありますわよ。こうして〇本さんとご一緒できましたし」
 「そう言っていただいて気が楽になりました」

 二人でそんな会話を交わしながら団地に向かって歩いていく。

 「隣の席に来られたときに感じた咄嗟のひらめきだったのですけど、思い切ってお声がけしてよかったです」

 咄嗟にひらめかせるような貌でもしていたのだろうか。今日は△井とも逢えず、出がけに◇田さんに捕まってここには駆け込む羽目にもなっていたから。

 「こちらこそ。お声をかけていただけなかったら、わたし一人ではとても役員に名乗りを上げるなんてできませんでした。どうぞよろしくお願いいたします」
 「いえいえ、そんな。こちらこそよろしくお願いいたします。クサクサしていてもつまりませんものね」
 「ええ、本当に。子どもも段々手がかからなくなっていきますしね。なにか楽しいことでも見付けないと」
 「そうですよね。ご一緒に楽しめれば」

 バス停の横を過ぎる。〇本さんのご主人も毎朝ここから長い時間をかけて通勤しているのだろうか。

 「ではまた」

 団地の中に植えられた木の下で西と東に別れる。わたしは〇本さんが出逢いを見つけられることを願った。
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