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わたしの昼下がり
第38章 少々の付き合い
 △井が体を離し、わたしはゆるゆると起き上がります。しばらく間が開いたせいでしょうか、△井が来てからまだ三十分も経っていません。

 「さあ、二発目と行きますか」

 ティッシュペーパーで名残りを拭っていると、タバコを吸い終わった△井が布団の上で仰向けになります。わたしは△井に跨りそそり立つものを収めます。しばらく腰を動かしていると、△井が身体を起こしてきます。抱き合って、ひとしきり舌を絡め合います。収めていたものが堅さを増していきます。

 △井が、体を離して両手を後ろにつきます。わたしも同じように体を後ろに倒します。繋がったまま、お互い、上体を支えやすい手の位置を探っています。

 合わせている△井の視線が、時折動きます。繋がっているところが△井の視野に入っていることが意識されます。

 「いつもながらいい眺めです。やっぱりここからが本番だと思うんですよ。男女の営みというものは。一発目はどうしても、溜まっていたものを早く吐き出したいものですからね。奥さんはいかがです?」

 そう言いながらも、△井の視線は上下しています。いちばん視られてはいけないところを視られていると思うと、やはり恥ずかしさがこみ上げてきます。

 「いいですね。奥さんのその貌。嬉し恥ずかし、という感じのその笑顔。好きなんですよね、その眉根を寄せる感じも。ボクたちはもう隠すものなど何もありません…みたいな格好でいるのにね」

 そう言うと、△井が突きを加えてきます。

 「んぉ…っ」

 不意に突かれたこともありますが、突かれたことのない場所を探り当てられたような感じに思わず声が漏れました。

 「いいお声だ…。そんなお声もお出しになるんですね。いや…、奥さんはまだまだ奥が深い。少々お付き合いいただいたからといって、ボクなどが分かったような気持ちになるには十年早いと言われそうですね」

 付き合いが”少々”でも、△井は夫が知りもしないわたしのことを既にいくらでも知っています。そして、わたし自身が知らないことまでも。

 「んおぉっ…んおぅ…」

 △井がわたしと視線を合わせながら腰を遣います。視線を合わせたまま呻き声を漏らしながら、わたし自身が知らない奥の奥まで△井に探られてみたいという誘惑にかられていきます。
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