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わたしの昼下がり
第37章 PTAの会合
 「気晴らしにパートにでも出ればって思ってもいたんですけど、なかなか思いきりがつかなくて」
 「そうですよね…」

 △井と出逢っていなかったらわたしもパート勤めでもと考えていたかもしれない。今のわたしのことを喋ったら〇本さんはどう思うだろうか。

 『いろいろお宅を回っていますとね、奥様方は何かしら秘密をお持ちなものですよ…』

 △井が初めて家に来たとき、そう言っていた。ふと、そんなことをが頭を過る。

 △井のことは誰にも話せるはずもないことではあるけれど、もし〇本さんに話したら、なぜか否定もせずに聴いてくれそうな気がする。きっと〇本さんも何かしら秘密を持っていそうな気がするから…。

 『まあ、素敵…。パートなどに出なくても、ちゃんとお家で嗜んでいらっしゃるのですね。クサクサした挙句になにか間違いを起こして家庭を壊してしまうよりはよほどいいと思いますわ。わたし、パートでもなんでも、とにかく外に出ないと、そういう出逢いって見つからないんじゃないかって思っていたんです』
 『それでPTAの役員に…?』
 『ええ。ほら、そういうお話も、無くはない…って』

 わたしも井戸端会議でそんな話を聞いたことはある。

 『ああ、でもごめんなさい。わたし、奥さまがもう嗜んでいらっしゃるなんて思いもしなかったから、PTAの役員なんかに巻き込んでしまって…』
 『いえ。お気持ちはわかりますわ』
 『ねえ、奥さま、その方、わたしにもご紹介いただけないかしら?。奥さまとわたしだけの秘密として』

 △井にはそんな知り合いがいそうな気もする。△井は△号棟は訪ねていなかったのだろうか。

 『ほう、△号棟にそんな奥さまがいらっしゃいましたか? ボクとしたことが、△号棟まではぬかっておりました。では、この後ちょっとお訪ねしてみましょう…』

 身体を離そうとする△井。

 『いえ、そういう意味ではなくて…』

 離すまいと△井の腰に両脚を絡みつかせるわたし。わたしだけの△井ではないと分かっているつもりではあるのだけれど。
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