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わたしの昼下がり
第37章 PTAの会合
 今日は娘たちが通う小学校のPTAの会合がある。

 『奥さんは”良妻賢母”でいらっしゃるのですから、そういう会合にはちゃんとお出になっておいた方がいいですよ。明日は遠慮しておきます』

 億劫な会合ではあるのだが、△井はそう言っていた。早く着くつもりで部屋を出たが、階段を降りたところで階下の□田さんに声を掛けられてしまった。

 「今日は暑いわね。暑いのにお出かけ?」
 「ええ。ちょっとPTAの会合があって小学校まで」
 「いろいろ面倒よね。誰が役員になるとか…」

 しっかり捕まってしまった。いかに役員にならずに済ませたかを、□田さんが苦労話のように聞かせてくるが、適当な相槌を打ってやり過ごすが、小学校に駆け込んだ時には会場の席はあらかた埋まってしまっていた。列の中ほどに空いている席を見つけて、そそくさと腰を下ろす。

 「〇本▽子の母です。いつもお世話になっております」

 隣の席から声を掛けられ、上の娘と同じクラスの子の母親と気付く。

 「あ、こちらこそお世話になっております…」

 わたしも挨拶を返す。〇本さんは特にお喋りを始める訳でもなく、挨拶を済ませると前を向いて会合が始まるのを待っている。その横顔はどこか凛としていて、平たく言うと下世話なところがない。こんなことを言ってはおしゃべり好きな団地の隣人に失礼とは思うが。

 会場に先生が何人か入って来て会合が始まる。学校からのお知らせが何点かあった後、役員を決めるという議題に入った。役員に立候補する人を募られるが、いきなり手を挙げるような人はいないのは毎回のこと。それでも、何人か手を挙げる人もいて、あと二人というところまで来た。

 「では、あと一分間お待ちして、それでもいらっしゃらなければくじ引きをさせていただきます」

 教頭先生が腕時計を見ながら宣言するのも毎年のこと。それでも「今日、来られていないお母さんも含めてのくじ引きですよね?」などという声が上がって、気まずい雰囲気が漂う。

 (ここを乗り切れば会合も終わり…)
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