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わたしの昼下がり
第26章 不意にできた時間(2)2日目
翌朝、約束の時間に△井は団地に来ました。まだ、夜も明けきっていません。
「おはようございます。ちょっとよそよそしい挨拶ですかね。疑似夫婦としては」
昨日、連れ込み旅館で何度もまぐわってから、次の日、つまり今日は、△井はわたしと夫婦のように過ごしたいと言い、一日を団地の部屋で一緒に過ごすことにしたのでした。わたしは、パジャマのまま△井を迎えます。とは言え、まったくのすっぴんというわけでもありませんが。
△井は郵便受けに差し込まれていた新聞を片手に部屋に上がりました。すぐに背広を脱ぐと、わたしが用意しておいた男物の寝間着に着替えました。
「どうです? 似合ってますか?」
わたしはちょっと困ったような笑顔を浮かべます。
「奥さんのぬくもりがいいですね…」
ふたりでわたしが寝ていた布団に潜り込みました。
「夫婦を気取っていながら『奥さん』も妙だが、まあ、いいことにしましょう。所詮は他愛もないお遊びですからね…」
「はい。△井さん…」
わたしもいつもどおりに『△井さん』と。
「今日はね、休みを取りましたよ。こんな時間に社の車を持ち出すとさすがにおかしいのでね。バスもまだ走っていませんしね。運よくタクシーが通ったので拾いましたよ」
普段は仕事の途中で会社の車でこの団地に乗りつける△井。休みを取ったと聞いて、わたしは『じゃあ、今日は、本当に一日中、一緒にいられるのですね』とと言いかけて、言葉をのみ込みました。
「じゃあ、今日はどうやって…」
「運転手さんに『旦那、お仕事お疲れ様です』なんて言われてね。憂さ晴らしに飲み過ぎて終電を逃した人に見えたんでしょうね。『お仕事お疲れ様です』じゃなくて、ボクにとってはこれからが本番ですけどね」
それでも、昨日のことを思えば△井も疲れているのではないでしょうか。
「おはようございます。ちょっとよそよそしい挨拶ですかね。疑似夫婦としては」
昨日、連れ込み旅館で何度もまぐわってから、次の日、つまり今日は、△井はわたしと夫婦のように過ごしたいと言い、一日を団地の部屋で一緒に過ごすことにしたのでした。わたしは、パジャマのまま△井を迎えます。とは言え、まったくのすっぴんというわけでもありませんが。
△井は郵便受けに差し込まれていた新聞を片手に部屋に上がりました。すぐに背広を脱ぐと、わたしが用意しておいた男物の寝間着に着替えました。
「どうです? 似合ってますか?」
わたしはちょっと困ったような笑顔を浮かべます。
「奥さんのぬくもりがいいですね…」
ふたりでわたしが寝ていた布団に潜り込みました。
「夫婦を気取っていながら『奥さん』も妙だが、まあ、いいことにしましょう。所詮は他愛もないお遊びですからね…」
「はい。△井さん…」
わたしもいつもどおりに『△井さん』と。
「今日はね、休みを取りましたよ。こんな時間に社の車を持ち出すとさすがにおかしいのでね。バスもまだ走っていませんしね。運よくタクシーが通ったので拾いましたよ」
普段は仕事の途中で会社の車でこの団地に乗りつける△井。休みを取ったと聞いて、わたしは『じゃあ、今日は、本当に一日中、一緒にいられるのですね』とと言いかけて、言葉をのみ込みました。
「じゃあ、今日はどうやって…」
「運転手さんに『旦那、お仕事お疲れ様です』なんて言われてね。憂さ晴らしに飲み過ぎて終電を逃した人に見えたんでしょうね。『お仕事お疲れ様です』じゃなくて、ボクにとってはこれからが本番ですけどね」
それでも、昨日のことを思えば△井も疲れているのではないでしょうか。

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