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わたしの昼下がり
第2章 よろめく
 うちを訪ねてきたセールスマン…もちろん名前は『〇沢』ではなく、差し出された名刺に書いてあった名前は『△井』でした。□田さんにはちょっと悪い気もしますけど、△井の眼にはわたしの方が好みに映ったのでしょう。

 それとも、□田さんをやり過ごしてきた次のところで妥協しただけなのかもしれませんけど。とにかく、すぐそこにあるゴミ袋には『〇沢』との名残りのティッシュペーパーがいっぱい入っているのは確かなこと…。

 『またお邪魔してもいいですよね? 奥さん』

 事を終えてタバコに火を付けた△井がわたしに声を掛けます。わたしは股を閉じもせずただ『ハァハァ』と息を荒げているだけ。何度もアクメさせて息も絶え絶えの女にそんなことを訊くなんてずるい…と思いましたが『男をくわえ込みたかったんです。是非、また来てください』などと言わずに済んだのは△井のせめてもの気遣いだったのかもしれません。わたしが久しぶりのアクメを味わっているのは一目瞭然だったでしょうから…。

 別にわたしは△井に何かモーションをかけたりした訳ではありませんでした。セールスの中味も忘れていました…というか上の空だったのだと思います。井戸端会議の話から、そういえばそうだったかも…と思い出したくらいです。もちろん無理やり押し倒されたりした訳でもありません。気が付いたらそういうことになっていた…というのがいちばん合っている感じです。まさにこちらの『心理』が読まれた上でのなりゆきだったと思います。

 『心理が読まれた』とはきれいごとに過ぎるでしょうか。のしかかられて『奥さん、ヤリたかったんでしょ?』と囁かれても、特に抵抗もしないでそのまま男根を受け容れたのですから。

 『一目見て奥さんとは『オトナのお付き合い』ができると思ったんですよ。思ったとおりでした』
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