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わたしの昼下がり
第2章 よろめく
 「それにしても、奥さまがせっかくよろめいていたのに帰っちゃうなんて、そのセールスマンはもったいないことをしたわね」
 「そうよ。お客の心理がわからないなんてセールスマン失格ね」
 「………。」

  □田さんが黙っているわたしに違和感を覚えたようです。

 「あら、奥さん、なんだか元気ないわね。どうかしたの?」
 「ほんと。やけに静かね。さては昨日頑張っちゃって少々おねむとか?」

 △本さんも後追いします。

 「え?…ああ…すみません。そんなことはないんですけど…。その、どんな人だったのかな…って」

 内心慌てながら平静を装って返事をするわたし。

 「だから、なかなかいい感じの男だったんだって。例えていうなら〇沢〇雄かな」
 「あら、奥さん、〇沢〇雄がタイプなの? ご主人とぜんぜん違うわね」
 「〇沢〇雄…テレビに出てくる…?」

 最近売り出してきた〇沢〇雄。歌手だったり俳優だったり。わたしは昨日の男が□田さんが言う〇沢〇雄に似ているとはまったく思っていなかったので、どこをどう見れば〇沢になるのか戸惑ってしまいました。少なくとも年齢が違い過ぎるでしょう。△本さんとわたしをもっと残念がらせようという魂胆なのでしょうか。

 「んもう、残念だわ。そんなにいいオトコなんだったら会いたかったのに」

 △本さんが□田さんの気持ちを察して話に乗ってあげています。

 とにかく『〇沢』が□田さんの家を訪ねてから階段を上がって一つ上のうちに来たのだろうことはわかりました。そして『うちは…来ませんでした』なんてただの嘘。『〇沢』がうちの一つ上の階の△本さんの家を訪ねなかったのは、わたしがうちにくわえ込んでしまったから…。なんでも正直に告白しなければいけない義理ももともとないのですけれど。

 だから『どんな人だったのかな』なんてもっと嘘。□田さんが『〇沢』にどういうモーションをかけたのかわかりませんけれど、いえ、かけたかどうかもわかりませんけれど、『〇沢』が□田さんのところで引っかからなくてよかった、と思いました。
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