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わたしの昼下がり
第10章 汗まみれ

黄金週間も終わって徐々に日差しが強くなって来た。みな手を顔の前にかざして日を除けている。そのせいか、今朝の井戸端会議は早々に終わった。□田さんは、いつの間にか太陽に背を向ける位置を占めて、まだ何か話したそうだったが、気付かないふりをして部屋に戻る。
窓は開け放っているけれど今日は風もない。扇風機もぬるい風を送ってくるだけ。汗がにじんでくるからシャワーを浴びようか迷う。迷ったけれど、△井がどこかで目印が掲げられるのを待っているからと、ベランダに出てハンガーにかけたピンクのタオルを物干し竿に掛ける。結局、わたしが△井に早く来て欲しいということ。
タオルは、風に飛ばされないように竿に結んだこともあったけど、いかにも目印のようで洗濯物らしく見える方がいいと△井に言われてから、水で濡らしてハンガーにかけるようにしている。しばらくして呼び鈴が鳴った。
「今日は暑いですね」
△井の額に汗が浮かんでいる。
「すみません。クーラーもないものですから」
「いえいえ。この団地でもクーラーを入れたお宅はまだほんの数軒じゃありませんか」
△井はこの団地のこともよく観察しているようだ。△井がたばこに火をつける。夫が吸っているタバコと同じ銘柄。
「暑いから井戸端会議も早々に終わって結構ですよね。しかし、まあ、こう暑いとビールでも飲みたくなりますね。ご主人はビールはどちらがお好みなんですか?」
夫はビールの好みは特にないからわたしが適当に酒屋さんに注文している。
「お飲みになりますか? 冷蔵庫に何本か入ってますけど…」
「そうですか。ではお言葉に甘えていただきましょうか」
窓は開け放っているけれど今日は風もない。扇風機もぬるい風を送ってくるだけ。汗がにじんでくるからシャワーを浴びようか迷う。迷ったけれど、△井がどこかで目印が掲げられるのを待っているからと、ベランダに出てハンガーにかけたピンクのタオルを物干し竿に掛ける。結局、わたしが△井に早く来て欲しいということ。
タオルは、風に飛ばされないように竿に結んだこともあったけど、いかにも目印のようで洗濯物らしく見える方がいいと△井に言われてから、水で濡らしてハンガーにかけるようにしている。しばらくして呼び鈴が鳴った。
「今日は暑いですね」
△井の額に汗が浮かんでいる。
「すみません。クーラーもないものですから」
「いえいえ。この団地でもクーラーを入れたお宅はまだほんの数軒じゃありませんか」
△井はこの団地のこともよく観察しているようだ。△井がたばこに火をつける。夫が吸っているタバコと同じ銘柄。
「暑いから井戸端会議も早々に終わって結構ですよね。しかし、まあ、こう暑いとビールでも飲みたくなりますね。ご主人はビールはどちらがお好みなんですか?」
夫はビールの好みは特にないからわたしが適当に酒屋さんに注文している。
「お飲みになりますか? 冷蔵庫に何本か入ってますけど…」
「そうですか。ではお言葉に甘えていただきましょうか」

