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わたしの昼下がり
第9章 距離感
 …などと、あれこれ想像を繰り広げていましたけれど、おそらく△井は、あちこちにわたしのような相手を抱えているのだから、それぞれの名前で呼んだりしていると、思わず違う名前を口走ってしまったりするのかもしれません。だから、間違いは起こらないように、どこの家でも『奥さん』と呼んでいる…ということだと思いました。

 「奥さん、旦那さんとそろそろしておいてくださいね…」

 わたしをアクメさせたあと、そう言って△井が射精に向けて腰を振り始めました。あちこちで同じようなことをしているかもしれないけれど、今は、わたしをアクメさせて、自分も射精しようとしている△井…。わたしは、△井の背中に両手を回し、脚も△井の腰に絡めました。

 「ああ…、△井さん…」

 ふと、わたしが『△井』とは全然違う名字を口にしてみたら…なんて思ってしまいました。

 「ん? 新しい…それとも、前からのご友人のお名前ですか?」

 きっと△井はこんなふうに言うでしょう。

 「きっといっぱいいらっしゃるんでしょうね。結構ですよ、大勢のご友人の中から、今、この時間だけはこうして私と共に過ごしていただけてるんですから」

 結局、わたしが△井に思っていることと同じこと。

 (…いえ、そんな、いたずらはしませんから、今日も存分にわたしの中に射精してください…)

 そう思って、わたしは△井を強く抱きしめました。
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