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わたしの昼下がり
第8章 取り込み中
 しばらくして呼び鈴の音が鳴りました。わたしは小走りに玄関に向かいのぞき窓から△井の姿を認めるとドアを開けました。△井がすばやくドアの隙間から身体を滑り込ませて鍵を掛けます。もう言葉は要らないとばかりにわたしたちは抱き合って唇を重ねました。

 「井戸端会議の奥さんのつまらなさそうな感じ…」

 △井が可笑しそうにしながら服を脱いでいます。

 「ご覧になっていたのですか?」
 「なかなか幸せのピンクのタオルが上がらなかったのでね。集会所の裏に回り込んで陰から拝見してました。やっぱり□田さんは曲者とお見受けしました。この棟は階段が2つついているので遠回りしてこちらにお邪魔しました」

 △井が□田さんの家の前を通るのを避けて迂回してきたようです。

 「この部屋の真下に□田さんがいらっしゃると思うといささか緊張しますね」

 軽口をたたきながら△井はもう下着姿になっています。

 「この団地は割と頑丈みたいで。上の部屋から物音が聞こえたことはありません」

 △井がにやりと笑っています。

 「それはよかった。少々のことでは心配する必要はありませんね」

 『少々のこと』が何を指すのか知らないけれど、きっと『少々のこと』ではとどまらないとわたしも思っている。

 「井戸端会議が終わってからすぐにピンクのタオルが掲げられてうれしかったですよ」

 ”待ちきれなかったのですよね?”とまでは言われなかったけれど、言われたのと同じ。

 「ああ、そうだ。急にご都合が悪くなったときには、ピンク色じゃないタオルを掲げるようにしておきましょうか。でないと、こちらがいつまでも団地をうろうろすることになって、奥さんも気味が悪いでしょうから…」

 確かにそんなこともなくはないと思う。△井はよく気が回る。

 「この前のお部屋でよろしいですか」

 △井が寝室に入っていきます。

(今日も来てくれてありがとうございます)

 わたしは心の中で呟きながらピンク色のタオルを取り込みました。そして、電話の線を抜いたのでした。
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