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わたしの昼下がり
第8章 取り込み中
 次の日の朝、やはり井戸端会議が始まりました。早く終わって欲しいと思っている日に限って、話が弾んでしまいます。わたし以外のメンバーは…ですけど。

 「選挙カーがうるさくてかなわないわね」
 「電話もかかってくるし。どこで調べているのかしらね」
 「電話帳をめくりながら片っ端からかけているんじゃないかしら」

 わたしは上の空で聞き流しています。でも、あまりに話に加わらないでいると矛先がわたしに向いてしまうので、ときどき適当な相槌を打ってごまかしています。

 「この前なんか晩のごはんどきにかかってきたわよ」
 「忙しいときに電話なんかして逆効果よね。わたし絶対に入れないわ」
 「あら、よっぽどお取込み中だったのね」

 『お取込み中』という言葉に卑猥な反応を示す奥さま連中。まあ、わたしもですけど。カマトトぶっていてもからかわれるだけなので…。

 「もういいところで…っていうときに鳴るのよね」
 「あらやだ、『いいところ』ってどういうところなの?」
 「『いいところ』って、そういうところよ」
 「わたし、そういうときは電話の線を抜いちゃうの」

 井戸端会議に線があったら今すぐ抜いてしまいたくなります。

 「あ、やっと来たわ」

 いつもよりも30分近くも遅れてゴミ回収車がようやく到着しました。

 「もうちょっと早く来られないものかしら」

 井戸端会議をさんざん楽しんでおいて回収車のおじさんに文句を言っている□田さん。わたしは心の中でおじさんにお礼を言います。

 (今日も来てくれてありがとうございます)

 立ち話の輪が解けてようやく奥さまたちはそれぞれの部屋に戻ります。わたしも部屋に入るとタンスの引き出しからピンクのタオルを取り出して、ベランダの物干しに掛けたのでした。風に揺れてヒラヒラとするタオルに、わたしはタオルを物干しに結んで風に飛ばされないようにしました。
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