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第33章 決戦は金曜日

　　　　本当に、夫はわたしに
　　　　振り向いてくれる？

疑問は尽きなかった。でも、その日の夜、変化があった。閉院後、帰宅した義隆が、夕食後に話し始めた。

「来週、佐川という男と会うことになっているが、どんな男なんだ？」

と、聞いた。

「そうね。言葉で説明するより、小学校の卒業アルバムを見たほうが早いかも」

実雅子は、そう言って、自室の書棚から小学校の卒業アルバムを持ってきて、義隆に見せた。

「この子が佐川くん」

と、実雅子が指さした。そこには、名探偵コナンのコナンのような賢そうな眼鏡を掛けたいけ好かない感じの男の子が映っていた。少なくとも義隆は、

　　　　子供っぽくない。
　　　　マセガキという感じ。
　　　　賢そうではあるが。
　　　　顔立ちは悪くない。
　　　　歯並びも悪くない。
　　　　ニヒルな笑顔。
　　　　やはり、見返しても
　　　　子供らしさがない。

と、心の中で思った。

　　　　塾通いをして中学受験。
　　　　そんな家庭の子供の顔。
　　　　と言えば、ど真ん中。
　　　　負けん気の強さが、
　　　　眉間に出ている。
　　　　眼光も鋭く、
　　　　気も強そうだ。
　　　　俺とは性格が
　　　　正反対ではないか？
　　　　違う方がいい。
　　　　性格が似ていれば、
　　　　SEXのタイプも似る。
　　　　性格が違えば、
　　　　SEXのタイプも異なる。
　　　　実雅子にとって、
　　　　その方がいいだろう。
　　　　俺のコピーみたいな
　　　　男では変わり映えしない。
　　　　新しい世界を感じるには
　　　　この方がいい。

義隆は頷いた。そして、

「仲が良かったんだろ？」

と、実雅子に聞いた。

「わからないわ。クラスが一緒で、塾が一緒。だから、一緒にいる時間は長かったわ」

と、笑う実雅子。頷く義隆。

「成績は？」

と、聞く義隆。

「小学校のテストは同じくらい。塾では、佐川くんの方が上だったと思うわ。だって、〇中学校志望だったから」

と、実雅子が言うと、

「ほぅ、それは凄い」

と、〇中学校というだけで、誰しもがそういう反応をする〇中学校。

「で、合格したのか？」

と、聞く義隆。

「それは、言ったでしょ。〇中学校は不合格で、大阪○○学院中学に合格して、入学したわ」

と、実雅子が話した。