パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第33章 決戦は金曜日

「それでも凄いじゃないか」

驚く義隆。それはそう。大阪の私学トップだから。

「で、結構、エリートなんだな」

と、続けた義隆。

「言っていいのかしら？」

と、首をかしげる実雅子。

「というと？」

聞く義隆。

「佐川くんは、大阪○○学院中学を途中で退学して、地元の中学から、K高校を経て、W大学に進学したそうよ」

と、聞いた話をすると、

「結構、詳しいな。同級生のネットワークか何かか？」

と、聞く義隆。情報を出し過ぎたと後悔した実雅子。義隆の話に乗っていくしかない。

「まあ、そんな感じ」

と、頷くと、

「そうか。それでも凄いじゃないか。K高校は学区トップだし、W大学と言えば、私学上位だろ」

と、国立大学出身の義隆は、私学最難関の天下のW大学ですら、私学最上位くらいの認識。

「そうよ。早慶上智というくらいだから」

と、実雅子が話すと、頷く義隆。義隆の卒業した国立大学も旧帝大のひとつ。その歯学部ということもあって、レベルは高い。W大学と比べて、どちらが高いかは、私学と国立の差もあって判然とはしない。

「なるほどね。中学は、なぜ途中で退学したのだろう？」

疑問を口にした義隆。

　　　　たしかに、それについて
　　　　わたしも何も聞いていないわ。
　　　　退学の理由なんて、
　　　　言いたくないわよね。
　　　　学校に馴染めなかった？
　　　　彼なら、プライドが
　　　　許さなかったのかも。

想像してみても、答えはわからなかった。

「ま、どのみち、最後はW大学まで行ったんだ、優等生だな」

と、自分が優等生と言われることを棚上げにして、他人を評する義隆。

「○○女学院中学高校と〇中学校を目指した中学受験の戦友が20年ぶりの再会か。童心に帰って、昔話をしたらいいさ。お前にも男友達の一人くらいは必要だ。旦那の愚痴を聞いてくれるような男友達が」

と、義隆が笑った。

　　　　そうね。
　　　　愚痴は言わなかったけど、
　　　　彼との時間の中で、
　　　　夫を比較して、
　　　　愚痴は頭を掠めたわよ。

と、思いながら、

「そんな男友達が必要かしら」

と、笑った実雅子。