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なりすました姦辱
第2章 制裁されたシングルマザー
 情景だけを眺めれば、パワハラと認定されてしまうかもしれない。涼子自身、グループ外も含めた一部の社員──特に若手の社員から、「パワハラ上司」と囁き合われていることは知っていた。

 だが、こと細かに指摘し、努力を向けるべき方向性まで示唆しているだけマシだと思って欲しかった。まだ国内法人として運営されているからこそ、ここまで面倒を見ているのであって、本国ならば、ここがダメ、ここもダメ、こっちもダメ、と、表層的な不備不足だけが並べ立てられて、もし午前中で期待に応えられなければ、午後には解雇されることだってある。他はどうであれ、世界を相手にする会社なのだから、ジョブ型雇用的にメンバーを扱うべきだと涼子は考えていた。

「仕切り直しましょう」

 項垂れてしまった彼を前に、その場にいる全員が今一度、自分の働きぶりを省察できる頃合いを見計らってから、涼子の隣に座していたNo.2の社員が進言した。

「そうね。これをベースに議論しても足らないところが多すぎるわ」
「はい。この件についてはイチから見直しをさせて、スケルトンレビューと事前レビューは私がします」
「で、私の再レビューはいつ?」

 No.2は自端末を手早く操作し、

「ご予定を拝見しますと……、明後日の17時ではいかがでしょうか?」
「いいえ、朝の8時にして。その日の夜は本国とリモート会議があるの。現地の朝刊に目を通しておきたいし、マーケットの結果も分析しておきたいから」
「承知しました。では、明後日の8時にスケジュールを入れさせていただきます」
 それから会議卓の面々を見渡し、「各自、この時間に合わせて予定調整をすること。それでは解散」

 終わった、でも早出出勤か……溜息で会議室の二酸化炭素の濃度がフッと上がり、めいめいが席を立ち始める。

 汐里もまた腰を上げ、この会議が早くに終わって空いた時間、アレとアレを片付けておこうかな、と算段しつつ、会議室を出がけに何気なく自分のスマホを見た。

(ひっ……)

 飛び出そうになった声を何とか殺して周囲を見回すと、同席者たちは既に自分に背を向けて帰って行っており、会議室内では涼子とNo.2だけが残って何やら別件を話し込んでいた。急いでるように見せなく急ぎ、自席に戻って、同僚に悟られないよう別の荷物をタブレットと手帳の間に挟んで隠すと、また、廊下へと戻る。
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