この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
なりすました姦辱
第1章 脅迫されたOL
 これだけだと嘘アカウントと見做されてしまう可能性もあるため、映画に行った時の会話や、買い物に行った時の出来事など、愛梨と自分だけが知る情報を、ただしネットに公開されることは重々注意して、自分のアカウントにポストしておいた。きっと愛梨なら、意が通じて連絡を寄越してくれると信じ──

 ──翌日、保彦はドアに凭れ、憔悴した面持ちで車窓を流れる景色を眺めていた。朝から何度もスマホの画面を復帰させるが、愛梨がフォローしたという通知は届いていなかった。Xは、相手がリプライを読んだかどうかがわからないのがもどかしい。更にリプライをつけたい欲求に駆られるが、あまり前傾りになりすぎると、逆効果で怪しいアカウントだと愛梨を警戒させてはいけないから堪らえている。

 乗客は多くはなく空いた席もあったが、兄弟だろうか、躾のなっていない子供がうろつき、わけのわからないことを言い合って車内に喚声を響かせていた。品も艶もない、毛先だけが銅鯖色をした髪の母親らしき女は、イヤホンをしたままずっとスマホを眺めている。すぐそばの隅席には老人が座っていて、昨今のキレやすい老人らしく怒鳴りつけてやればいいものを、不機嫌そうな溜息を何度もつくが睨みつけるだけだ。10分くらいのことだから、他の車両へ移動することもなく距離だけをとったのだったが、鼓膜を刺すような甲高い声は保彦の苛立ちを加速させた。

 昨晩、愛梨へフォロー依頼を送った後は、テレビもない部屋の中で、ただ土橋を待っているしかなかった。もう夜中であるし、入れ替わってから二日が経っているというのに何の音沙汰もない。ただただ汚らしい部屋の中でじっとしていることは、苦痛以外の何ものでもなかった。

 よって、保彦は翌朝になると土橋の部屋を出たのだった。

 上野で内省したとおり、自分の持ち物に自宅を特定できるものはない。だが何らかの理由で、土橋が自分の一人暮らしの部屋の住所を知り、こちらと同じように考え、そこで待っているのかもしれなかった。つまり、お互いがお互いを待って動かずにいる、不幸な状況に陥っている可能性である。

 保彦は土橋の定期券で上野まで出ると、山手線で高田馬場、そこから西武線へ乗り換えて自宅へと向かった。いかにも学生をターゲットにした賃貸マンションに着くと、パネルから自分の部屋を呼び出す。しかし応答は無い。
/267ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ