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なりすました姦辱
第1章 脅迫されたOL

「気持ち悪……ほんっとバカみたい。それになんだか、今になって急に強気じゃない?」
保彦と同じ形容詞で嘲笑を浮かべた汐里だったが、その片隅には明らかな狼狽が窺えた。これから降りかかる運命が気になり、土橋の様子がいつもと違うことに、汐里がさほど注意を払っていないことは、保彦にとっては大変好都合だった。
「そんなことはどうでもいいよ。さっそく始めようよ」
「……」
「セックスだよ、セックス。ヤラせてくれるんでしょ?」
極微の毛先まで抜かりなく手入れされていよう、汐里の睫毛が細まった。
いかにも汐里は男にモテそうだ。いつもなら相手を選ぶ立場にあるのに、土橋のような男に何の気遣いなく、雰囲気作りもなく体を求められるなんて、考えられない状況であるはずで、
「あれあれぇ、コワくなっちゃったのかな?」
「べつに。あんたみたいなヤツ、どうせ大したことなさそうだし」
挑発すると、予想通りに強がってみせてくれる。
「ふっ……、ふふふ……」
舌なめずりなんて、女性の前でしたことはない。
恥ずかしくてとてもできない。
だが、土橋が溢れさせる涎を袖で拭うよりも、そうしたほうがより汐里が苛むと予想され、実際、すぐさま舌打ちをしたところをみると、目論見は大成功だった。醜男が脅迫ネタを盾に、美しい女を邪欲の前に跪かせる、陵辱モノのエロ動画のようなシチュエーション。作り物で、演技という点では全く話にならないセクシー女優などとは異なり、目の前の汐里のリアクションは実に真に迫っていた。たとえステレオタイプになろうが、体裁を気にせずキモい男なりの挙動を演じたほうが、ずっと愉しめそうである。
「じゃあ、そうだな、まずはそこでスカート捲ってもらおうかな。ブラ姿は見せてもらったことあるけど、パンティはまだ見せてもらってないもんね。別に怖くとも何ともないし、大したことでもないんでしょ?──」
──届いたピザをマットレスの上で食べながら、何気なく、メッセージアプリの『リリ』との会話履歴を遡ったのだった。
いきなり、『最低』だとか、『いいかげんにして』だとか、果ては『消えて』という言葉まで目に飛び込んでくる。
保彦と同じ形容詞で嘲笑を浮かべた汐里だったが、その片隅には明らかな狼狽が窺えた。これから降りかかる運命が気になり、土橋の様子がいつもと違うことに、汐里がさほど注意を払っていないことは、保彦にとっては大変好都合だった。
「そんなことはどうでもいいよ。さっそく始めようよ」
「……」
「セックスだよ、セックス。ヤラせてくれるんでしょ?」
極微の毛先まで抜かりなく手入れされていよう、汐里の睫毛が細まった。
いかにも汐里は男にモテそうだ。いつもなら相手を選ぶ立場にあるのに、土橋のような男に何の気遣いなく、雰囲気作りもなく体を求められるなんて、考えられない状況であるはずで、
「あれあれぇ、コワくなっちゃったのかな?」
「べつに。あんたみたいなヤツ、どうせ大したことなさそうだし」
挑発すると、予想通りに強がってみせてくれる。
「ふっ……、ふふふ……」
舌なめずりなんて、女性の前でしたことはない。
恥ずかしくてとてもできない。
だが、土橋が溢れさせる涎を袖で拭うよりも、そうしたほうがより汐里が苛むと予想され、実際、すぐさま舌打ちをしたところをみると、目論見は大成功だった。醜男が脅迫ネタを盾に、美しい女を邪欲の前に跪かせる、陵辱モノのエロ動画のようなシチュエーション。作り物で、演技という点では全く話にならないセクシー女優などとは異なり、目の前の汐里のリアクションは実に真に迫っていた。たとえステレオタイプになろうが、体裁を気にせずキモい男なりの挙動を演じたほうが、ずっと愉しめそうである。
「じゃあ、そうだな、まずはそこでスカート捲ってもらおうかな。ブラ姿は見せてもらったことあるけど、パンティはまだ見せてもらってないもんね。別に怖くとも何ともないし、大したことでもないんでしょ?──」
──届いたピザをマットレスの上で食べながら、何気なく、メッセージアプリの『リリ』との会話履歴を遡ったのだった。
いきなり、『最低』だとか、『いいかげんにして』だとか、果ては『消えて』という言葉まで目に飛び込んでくる。

