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隷落の檻・淫獣の島 ~姦獄に堕ちた被虐の未亡人~
第4章 早苗の過去
「お母さん、名器らしいわよ」

わたしは湯船に浸かりながら、向こう側から聞こえてきたシュウたちの会話を掻い摘んで話した。

「メイキ?」

母には耳慣れない言葉だったみたい。それはそう。わたしみたいに性的な好奇心が旺盛だったら別だけど、母みたいにお堅い人には無縁の言葉。

「そう。名器って締まり具合が良くて、男性のアレをギュッとホールドして、感じさせる膣のことを言うのよ」

わたしが説明すると、自分の股間を見る母・・・。実感はないみたい。それはそう。だって、男性が感じるもので女性が感じるものではないし、わかるものでもないのだから。

「っていうか、そんな名器の妻を持ちながら浮気をして出て行くお父さんって、マジでバカよね」

わたしが笑うと、苦笑する母。やはり名器の実感はないみたい。

「さっき、お母さんも気持ち良かったのなら、楽しんだらいいのよ。気持ちよくなるの嫌なの?」

わたしが尋ねると、苦笑いを続ける母。

「まるで、あなたが保護者ね」

母は呟いた。そうかもしれない。でも、保護者が子供にエッチを勧めることなんてないだろうけど。

「だってお母さんがあまりにも消極的だから。わたしならこんなチャンス逃さないわ。だって、みんな、アレが立派だもの。見ているだけで疼いちゃう」

わたしが話すと、

「なんて子なの。セックス狂いね」

と、呆れた母。

「わたしは自分に素直なだけ。お母さんの方がいろいろなシガラミに捕らわれているだけよ」

わたしはそう答えた。本気だったから。

「シガラミ?」

わかっていない感じの母。

「そう、世間体とか、古い観念とか、道徳とか」

わたしがそう言って笑うと、眉を寄せて難しい顔をした母。

「そういうものを吹っ切るとあなたみたいになるの?」

わたしを見る母。批判的という感じではなく、疑問を抱いている感じだった。

「そう。そもそも誰もかも、他人のことなんてそんなに気にしていないし、人生は一度しかないから、自由に生きた方がいいって思うの」

わたしは常日頃から思っていることを言葉にして伝えた。母は、

「たしかに、人生は一度しかないけど、自由・・・」

わたしの言った言葉を嚙みしめるように反芻した母。
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