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心の中のガラスは砕けて散った
第9章 8月
日曜

康二は神社の入り口に立ち 参道脇に積み上げられた
雑草の束を 片付けていた、向こうで山鹿の抱える
草刈り機のエンジンの音が聞こえ 康二は山鹿の
刈り取った雑草を一纏めの山にして 参道に積んでいた

夏の日差しは容赦なく背中を焼いてくる 
着ているティーシャツが汗で濡れ
タオルで汗をぬぐった時

「 お早う御座います 」

少し甲高い声に振り向くと 先月集会場で
ゴミ捨て場を移動させろと、騒いでいた
西島が笑顔で近寄って来た、康二は身構え

「 お早う御座います 」

顔を流れる汗を拭き、西島を窺った
白い薄物のワンピース、膝を僅かに隠し
胸の膨らみが ワンピースを押し上げ
乳首の先が ワンピースから浮いていた

「 お早う御座います 」

康二は挨拶を交わし 西嶋の胸元に
大きな乳房と浮き上がる乳首に
視線を這わせ、西嶋が少し赤い顔で
背中を向けた

徐々に人が集まり、電気屋の松村
バイク屋の宮城 隣組の篠崎の顔も

神社の駐車場に 一台のトラックが止まり
幾つかの段ボールが下ろされ
男達は神社の社務所の中へと運び込み

主婦達が 社務所の中の段ボールを開け
社務所の倉庫に 届いた色取り取りの
ガラスのボールと蝋燭を片付け

男達は 参道脇に積み上げられた
雑草を片付け、日曜の作業は終わらせた
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