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心の中のガラスは砕けて散った
第7章 7月

「 申し訳ない ゴメンナサイ どうか それだけは 」
立ち上がった 山田の足元ににじり寄った
康二が ズボンのすそを掴み山田は
足を振り 康二の手を振り解いて
玄関へ歩き始め
康二は山田の手を 座りながら掴み
悲痛な声で引き留め
「 お願いします どうか それだけは 止めてください 」
森川が不倫で左遷され 退職した事を思い出す
山田が毎日電話を 会社に掛けてきたら
今月で 会社にはいられなくなる
次の仕事に付いたとしても 収入が激減して
家のローンが払えなくなり 山田が口を開いたら
町内での噂で 子供達が辛い思いを
康二は必死だった 何とか引き留めて
慰謝料だけで済ませたいと
「 山田さん お願いします 」
綾乃も慌てて立ち上がり 肩までの髪が揺れ
山田の腕を掴み テーブルに引き戻そうと
力を入れて引いた
山田は綾乃の 必死に引き留める顔を見て
テーブルに座り 康二は床に頭を付け
何度も 何度も
会社へは・・・・言い続け
お願いします、会社には・・・・
山田は諦めた様に
「 分かった 」
そのまま 綾乃と康二を交互に見て
口を噤み また リビングに重苦しい沈黙を
時計が刻み始めていく
「 300万・・・・ 」
山田が呟いた 康二と綾乃が
顔を上げ山田を見る
立ち上がった 山田の足元ににじり寄った
康二が ズボンのすそを掴み山田は
足を振り 康二の手を振り解いて
玄関へ歩き始め
康二は山田の手を 座りながら掴み
悲痛な声で引き留め
「 お願いします どうか それだけは 止めてください 」
森川が不倫で左遷され 退職した事を思い出す
山田が毎日電話を 会社に掛けてきたら
今月で 会社にはいられなくなる
次の仕事に付いたとしても 収入が激減して
家のローンが払えなくなり 山田が口を開いたら
町内での噂で 子供達が辛い思いを
康二は必死だった 何とか引き留めて
慰謝料だけで済ませたいと
「 山田さん お願いします 」
綾乃も慌てて立ち上がり 肩までの髪が揺れ
山田の腕を掴み テーブルに引き戻そうと
力を入れて引いた
山田は綾乃の 必死に引き留める顔を見て
テーブルに座り 康二は床に頭を付け
何度も 何度も
会社へは・・・・言い続け
お願いします、会社には・・・・
山田は諦めた様に
「 分かった 」
そのまま 綾乃と康二を交互に見て
口を噤み また リビングに重苦しい沈黙を
時計が刻み始めていく
「 300万・・・・ 」
山田が呟いた 康二と綾乃が
顔を上げ山田を見る

