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やっと、逢えた
第6章 吸血鬼
「子供って…?」


「うちは病院だから、血液は簡単に手に入るんだよ。
患者の中で一番最適な家族をいくつか把握していて、
その家の子供さんのを研究に必要ということで提供してもらっているんだ。
かなりの金額を渡している。
…気持ち悪いよね?」


「私の血液も研究に必要なんですか?」と言われて、
首を横に振る。


「君の血液は、
純粋に君のことを調べてあげたいと思ったから。
それと…」


「それと?」


「紫さんが、俺の運命の女性(ヒト)と直感的に思ったから、
もっと君のことを知りたかったし、
君と少しでも一緒に居たかったから」


しばらく下を向いていた彼女は、
顔を上げて俺を見つめて、

「私の血も、
飲みたいですか?」


「そんなこと…。
それより、抱き締めてキスしたい」


思いもよらないことを、
俺は口走っていた。


いや、ずっと願っていたことだったのかもしれない。


でも、そんなことをしたら、
彼女は俺の毒にやられて、
最悪、死んでしまうかもしれない。



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