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やっと、逢えた
第5章 告白
「さて。
邪魔者はそろそろ失礼しようかな?
紫さん、今度は自宅の方にいらっしゃい。
ご両親とは面識がなかったが、
お祖父様とは親交があったから、
そんな話も出来ると思うし。
白蓮、お前、しっかりしなさい。
では、また」


良いタイミングで出てきた北川が親父の椅子を引くと、
親父は優雅に立ち上がる。

そして、渡されたボルサリーノを被り、
銀の持ち手のついた杖を手にすると、
軽く会釈をして出て行った。


茫然としていた俺に、

「白蓮様、失礼致します」と北川が声を掛けたので、
ハッとして彼女を観ると、
彼女は少し微笑んでいるようだった。


「部屋に戻ろうか?」と言って、
俺は立ち上がって彼女の椅子をぎこちなく引いてあげると、

「ありがとうございます」と言って、
そっと立ち上がって俺を見上げた。


俺は黙ったまま、先を歩くように自分の部屋に彼女と戻る。



やれやれ。
ストーカーと思われている俺は、
どんな顔で彼女と話をすれば良いんだろう?
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