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天狐あやかし秘譚
第73章 動如雷霆(どうじょらいてい)

ここでも同じだ。
大鹿島の弓と矢はともかく、左前の鏡や土門の数珠はとても武器には見えないが、それぞれが各々の得意とする術式の媒介となっているのだ。媒介となるものを使って発動される術は、それぞれがかなり強力なものになる。
瀬良は自身のことを「水気の術者」と言っていた。なので、ペットボトルに入った水などを武器に使うことすらあるという。今は符を使っている。おそらく補助術式を使って、土御門や他の陰陽博士たちをサポートするつもりなのだろう。
「綾音さんも中央に」
私と大鹿島を中心に、瀬良、土御門、左前、土門そしてダリの5人がそれを取り囲むように円形の陣を引いた。私としてはダリが心配だが、ここで大人しく休むような人(妖怪?)ではないことは百も承知だ。
「土門!なにがおるんや?」
「ええっとそうですねえ・・・報告にあった小玉鼠、それからさっき綾音さんたちを襲ったらしい鎌鼬と山颪・・・おおっ!猫又と雷獣もいますよ!!ざっと300匹ほどですね!」
「ダリはん、平気かいな?」
「貴様に心配されるほどではない」
「そ・・・じゃあ、いっちょ軽くもんでやりますかいな。
土門、術者特定、はよせ」
「アイアイ!」
ざわり、と森が動いたように感じたと思ったら、あたり一面から異形の獣たちが飛び出してきた。
☆☆☆
・・・何が・・・起こった?!
一瞬だった。あれだけの数の妖魅・幻獣たちが一瞬のうちに屠られた。
なんだ?なんだ、なんだ!?
何なんだあいつらは!?
200メートルほど先、カダマシの周りにたむろしていた奴らの周りに俺が放った妖怪厭魅は全部で300体ほどだったはずだ。
雷を呼び毒を吐く『鵺』
爆音をあげて炸裂する『小玉鼠』
鋭い鎌を持ったすばしっこい『鎌鼬』
遠隔から鉄板をも貫く超高速の棘を飛ばす『山颪』
力とスピード、鋭い牙と爪で人を食い殺す『猫又』
雷を纏い炎の息を吐く『雷獣』
俺の号令で一斉に飛びかかったはずだった。
大鹿島の弓と矢はともかく、左前の鏡や土門の数珠はとても武器には見えないが、それぞれが各々の得意とする術式の媒介となっているのだ。媒介となるものを使って発動される術は、それぞれがかなり強力なものになる。
瀬良は自身のことを「水気の術者」と言っていた。なので、ペットボトルに入った水などを武器に使うことすらあるという。今は符を使っている。おそらく補助術式を使って、土御門や他の陰陽博士たちをサポートするつもりなのだろう。
「綾音さんも中央に」
私と大鹿島を中心に、瀬良、土御門、左前、土門そしてダリの5人がそれを取り囲むように円形の陣を引いた。私としてはダリが心配だが、ここで大人しく休むような人(妖怪?)ではないことは百も承知だ。
「土門!なにがおるんや?」
「ええっとそうですねえ・・・報告にあった小玉鼠、それからさっき綾音さんたちを襲ったらしい鎌鼬と山颪・・・おおっ!猫又と雷獣もいますよ!!ざっと300匹ほどですね!」
「ダリはん、平気かいな?」
「貴様に心配されるほどではない」
「そ・・・じゃあ、いっちょ軽くもんでやりますかいな。
土門、術者特定、はよせ」
「アイアイ!」
ざわり、と森が動いたように感じたと思ったら、あたり一面から異形の獣たちが飛び出してきた。
☆☆☆
・・・何が・・・起こった?!
一瞬だった。あれだけの数の妖魅・幻獣たちが一瞬のうちに屠られた。
なんだ?なんだ、なんだ!?
何なんだあいつらは!?
200メートルほど先、カダマシの周りにたむろしていた奴らの周りに俺が放った妖怪厭魅は全部で300体ほどだったはずだ。
雷を呼び毒を吐く『鵺』
爆音をあげて炸裂する『小玉鼠』
鋭い鎌を持ったすばしっこい『鎌鼬』
遠隔から鉄板をも貫く超高速の棘を飛ばす『山颪』
力とスピード、鋭い牙と爪で人を食い殺す『猫又』
雷を纏い炎の息を吐く『雷獣』
俺の号令で一斉に飛びかかったはずだった。

