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天狐あやかし秘譚
第72章 侵掠如火(しんりゃくじょか)
☆☆☆
「ダリ!」

一瞬の出来事だった。カダマシが何事か呟くと、その姿が一瞬のうちに膨れ上がった。あのとき、私と麻衣ちゃんを攫った大きな手は、こいつが巨大化したときのものだったのかとわかった。

ダリがドン、と私のことを突き飛ばしたかと思うと、あっという間に、巨大になったカダマシの手に掴まれる。

「紳士だねぇ・・・女を守るってか?
 じゃあ、そのままこの手の中で骨がバキバキになって死ぬ姿を見せてやるだな
 お前の死体の前で、この女をたっぷり犯してやるぜ」

30メートルほどの大きさになったカダマシは、地の底に響くような恐ろしい声を放った。彼が言うように、ダリはその手の中にすっぽりと掴まれて、身動きが取れない状況に見える。

大分妖力も消耗している・・・あんなの倒せるの!?

そもそも、神宝は反則的なのだ。
土御門に聞いたところでは、神宝は全て、何らかの意味で『無限』を秘めている。だからこそ、他の呪具と区別され、神宝とされる。

カダマシが持っている神宝『生玉』は、身体の改造を行うことができるものだ。身体の力を増したり、回復能力を高めたりもできる。エネルギーだって無限に作り放題だ。一方、ダリは妖力が強いと言っても「有限」なのだ。使えば減るし、消耗すれば回復に時間も手間(!?)もかかる。戦いが長引けば、不利になっていくのは必然である。

長野の山中でカダマシたちと交戦したときを1日目とすると、今日はおそらく短く見積もって2日目もしくは私がもっと眠っていたとしたら3日目か4日目という可能性もある。その間、ダリはおそらく戦いっぱなしだったのだろう。『私』がいない以上、ダリの妖力の回復はそれほどできていない・・・と思う。

「はーっはっは!オラよ!」

ぐうっとカダマシがだりを握った拳に力を込める。ダリの目に苦悶の表情が浮かぶ。

「ぐう・・・あっ!」
「ダリ!!」

「っは!死ね!」
バキン・・・と不吉な音が鳴り響く。ダリの口元から赤い血がだらりと垂れ、首が不自然な方向に曲がってぐったりとした。

う・・・嘘・・・
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