この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第72章 侵掠如火(しんりゃくじょか)
涙すら出ない。目の前のことがあまりにも非現実的で、脳がそれを受け入れることを拒否しているかのようだ。考えがまとまらない。頭の中にノイズがいっぱい走って、まるで身体と心が切り離されてしまったような・・・そんな感じだ。

ふわふわとした意識の中、カダマシの声が遠くに聞こえる。

やっぱり俺が一番だ
誰も俺に敵いやしねえ
この女もぶち犯し決定だ

嘘・・・だよね?

夢の果てにやっと会えたのに。あなたが現実にいたと、わかったのに。
会いたかったのに。また、抱かれたかったのに・・・!

「ダリぃぃぃぃ!!」

私の声が空に響いた。それは、虚しく、虚しく・・・答えるものも・・・なく。

・・・なく?

「吾れ 此に天帝より使わされし者
 その所、金刀を持ちて命を執り使わせ」

なにか、声が聞こえる・・・。どこから?
 
「令滅不詳 此刀非凡 常之刀 
 百錬之鋼 此刀一下 
 何をか鬼と走ずや 何をか病を癒さずとや」

私は周囲を見渡す。誰も、いない。何も、ない・・・。
それでも、声は次第、次第に大きくなってくる。
 
「千殃万邪 皆伏死亡 
 今、吾れこの刀を下し」

上!?
私は天を仰いだ。この声・・・空から聞こえる!?
 
「急急如天帝 太上老君より遣わされし
 その律令に従わん!」

悪鬼滅殺 刀禁術

キィィン

澄んだ金属音が響き渡り、目の前のカダマシの巨体に幾筋もの光の斬撃が降り注ぐ。

空を踊るように黒い人影が、斬撃を繰り出していく。
その斬撃で切り裂かれたカダマシが、ぐらりと身体を傾けるが、倒れる寸前のところで、ドン、と右足を踏みしめ、堪えた。

「な・・・何だ!貴様!!」

人影が剣を肩に担いでその巨体を見上げた。
その姿・・・この人って・・・!?

「いったい・・・なんで・・・」
空から?と言おうとした時、私の耳に、別の声が響いてきた。
/1067ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ