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天狐あやかし秘譚
第72章 侵掠如火(しんりゃくじょか)

もしかしたらあの妖怪をバンバン呼び出す痩せ男もこちらに参戦してきてしまうかもしれない。そうしたら、2対1、しかもダリは手負いで私を抱えて思うように戦えない・・・。
もしや、まだ・・・私の、私達のピンチは終わっていないのではないだろうか!?
神様!!!
フッ・・・と笑う声がした。
見ると、ダリが笑っている。
なんで!?なんでこの状況でその表情!?
「カダマシとか言ったな?何ぞそち・・・
狐に誑かされたのは、初めてか?」
攻撃を躱しながらダリが言い放つ。その言葉はえらくカダマシという男のプライドを傷つけたようだった。
「貴様ぁっ!!!」
天を仰ぎ、両手を広げ、咆哮する。
ただでさえ膨れ上がった筋肉が更に一回り巨大になる。
獣とも人ともつかない雄叫びは大気を揺らし、周囲の森を大きくざわめかせた。
ちょ・・・ちょっと!
ただでさえめっちゃ怒っているのに、これ以上刺激しないでぇ!!
カダマシが腰を落とし、何やら体中に力を込め始める。左腕を引き、右足を踏み込んだ。
「それは文字通り、悪手よの・・・」
ダリが呟くのと、大地が揺れるのと、大気が引き裂かれるような音がするの、そして、カダマシの右腕が閃光を放つのが同時に起こる。
「ひ・・・」
光が眼前いっぱいに広がり、同時に、私の意識もそれに溶けて消えてしまった。
もしや、まだ・・・私の、私達のピンチは終わっていないのではないだろうか!?
神様!!!
フッ・・・と笑う声がした。
見ると、ダリが笑っている。
なんで!?なんでこの状況でその表情!?
「カダマシとか言ったな?何ぞそち・・・
狐に誑かされたのは、初めてか?」
攻撃を躱しながらダリが言い放つ。その言葉はえらくカダマシという男のプライドを傷つけたようだった。
「貴様ぁっ!!!」
天を仰ぎ、両手を広げ、咆哮する。
ただでさえ膨れ上がった筋肉が更に一回り巨大になる。
獣とも人ともつかない雄叫びは大気を揺らし、周囲の森を大きくざわめかせた。
ちょ・・・ちょっと!
ただでさえめっちゃ怒っているのに、これ以上刺激しないでぇ!!
カダマシが腰を落とし、何やら体中に力を込め始める。左腕を引き、右足を踏み込んだ。
「それは文字通り、悪手よの・・・」
ダリが呟くのと、大地が揺れるのと、大気が引き裂かれるような音がするの、そして、カダマシの右腕が閃光を放つのが同時に起こる。
「ひ・・・」
光が眼前いっぱいに広がり、同時に、私の意識もそれに溶けて消えてしまった。

