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天狐あやかし秘譚
第71章 其疾如風(きしつじょふう)

その踏みしめは大地を揺るがし、半径1キロほどに震度4程度の振動をもたらした。その予期せぬ揺れはダリの体勢を崩し、僅かな隙を作ることになる。
ーいまだ!
大地からの反作用を腰骨のひねりを経由し、そのまま滑らかに肩関節、肘関節に伝搬させる。大地を揺るがすほどの衝撃に、背中、腕の超筋力を乗せて、一気に拳を突き出していく。突き出された拳はその前にある空間の空気を急速に圧縮し、空気内の分子達は急激な密度の上昇により、その物理的な温度を爆発的に高めることになる。
結果、熱源のないところに突然高火力の火球が出現する。火球内の温度は最大で摂氏6000度を越える。超高速かつ高密度のエネルギーを一気に大気に叩き込むことで生じる現象だ。客観的に見ると、目にも止まらない疾さで繰り出した拳の先が金色に光って見える
『童子』である彼が放つことができる、奥義のひとつ『揺光』だ。
ーこいつを食らって、蒸発しろ!色男!!
突き出した拳が超光熱、高密度のプラズマ化した大気の弾丸を放つ。それは軌道上の全てを灼き尽くしながら姿勢を崩し、反応が遅れたダリに迫った。
輝く光球が彼の白い皮膚を、その白熱の光で炙っていく。その光の中、ダリの口がかすかに動いた気がした。
ーいまだ!
大地からの反作用を腰骨のひねりを経由し、そのまま滑らかに肩関節、肘関節に伝搬させる。大地を揺るがすほどの衝撃に、背中、腕の超筋力を乗せて、一気に拳を突き出していく。突き出された拳はその前にある空間の空気を急速に圧縮し、空気内の分子達は急激な密度の上昇により、その物理的な温度を爆発的に高めることになる。
結果、熱源のないところに突然高火力の火球が出現する。火球内の温度は最大で摂氏6000度を越える。超高速かつ高密度のエネルギーを一気に大気に叩き込むことで生じる現象だ。客観的に見ると、目にも止まらない疾さで繰り出した拳の先が金色に光って見える
『童子』である彼が放つことができる、奥義のひとつ『揺光』だ。
ーこいつを食らって、蒸発しろ!色男!!
突き出した拳が超光熱、高密度のプラズマ化した大気の弾丸を放つ。それは軌道上の全てを灼き尽くしながら姿勢を崩し、反応が遅れたダリに迫った。
輝く光球が彼の白い皮膚を、その白熱の光で炙っていく。その光の中、ダリの口がかすかに動いた気がした。

