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天狐あやかし秘譚
第71章 其疾如風(きしつじょふう)

まあ、はなから人間じゃねえとは思っていたが・・・。
そういや、前にシラクモから聞いた時は、こいつのことを『神にも近しい妖怪』・・・神狐と呼んでいたよな・・・
面白れえ・・・
自分にはもはや敵はないと思っていた。警察だろうが、自衛隊だろうが、陰陽師だろうが。人間相手であれば、米軍と戦ったとしても負ける気はしなかった。しかし、妖怪はどうか?ましてや相手は神に匹敵するという。
試したい。
己がどの程度強くなったのかを試したい。
己の力が万物悉くを越えるものであることを証明したい。
俺が・・・一番だ。
「さっさとずらかろうと思ったが、ヤメだ。ここで、白黒つけてやる」
ーまずは『童子』で・・・
カダマシが空手の正拳突きの要領で拳を振るう。本気で突き出した拳から発せられる衝撃波は、先の『なのはな園』で戯れに放ったものとは段違いの威力を有していた。襲い来る不可視の衝撃波をダリは最小の動きで躱していく。
ドゴン!
地面に着弾したそれは、大きく土を抉り出していく。まともに当たれば鋼鉄製の車のボディにすら穴を開ける威力だ。
ー流石に避けるねえ・・・
ドン!ドン!ドン!
カダマシが左右の腕を連続で突き出し、衝撃波を連撃する。弾幕のように射出された衝撃波を、やはりダリは最小の動きで躱し、涼しい顔をしている。たまに避けきれなかった衣にかすり、その裾がほつれることはあったが、それもダリの超妖力で即座に修復されていた。
ー気に入らねえな・・・
顔がいいのがまずもって気に入らねえ。
お前もアレだろ?生まれながらに『持っていた』方だよな?
カダマシは後ろに少し跳び、ダリとの距離を稼ぐ。次の技にはある程度の『溜め』が必要だからだ。
その場で、右拳を前、左手を少し引く。両方の足をすり足で開き、正中線を揃える。
ーいったん、隙を作るぞ・・・
その状態から右足を上げ、振り下ろす。要は、大地を踏みこむ。
全ての拳法は、たとえ突き技であったとしての重要なのは『足』だ。足の筋肉は腕のそれの比ではない。その足で踏み込み、その衝撃を上半身に伝えること、それにより、効果的な「突き」を放てる。
そのために、踏み込むのだ。
しかし、『生玉』により、強力に高められたカダマシの筋力による踏み込みは、単なる攻撃の予備動作を超えていた。
ドゴン!
そういや、前にシラクモから聞いた時は、こいつのことを『神にも近しい妖怪』・・・神狐と呼んでいたよな・・・
面白れえ・・・
自分にはもはや敵はないと思っていた。警察だろうが、自衛隊だろうが、陰陽師だろうが。人間相手であれば、米軍と戦ったとしても負ける気はしなかった。しかし、妖怪はどうか?ましてや相手は神に匹敵するという。
試したい。
己がどの程度強くなったのかを試したい。
己の力が万物悉くを越えるものであることを証明したい。
俺が・・・一番だ。
「さっさとずらかろうと思ったが、ヤメだ。ここで、白黒つけてやる」
ーまずは『童子』で・・・
カダマシが空手の正拳突きの要領で拳を振るう。本気で突き出した拳から発せられる衝撃波は、先の『なのはな園』で戯れに放ったものとは段違いの威力を有していた。襲い来る不可視の衝撃波をダリは最小の動きで躱していく。
ドゴン!
地面に着弾したそれは、大きく土を抉り出していく。まともに当たれば鋼鉄製の車のボディにすら穴を開ける威力だ。
ー流石に避けるねえ・・・
ドン!ドン!ドン!
カダマシが左右の腕を連続で突き出し、衝撃波を連撃する。弾幕のように射出された衝撃波を、やはりダリは最小の動きで躱し、涼しい顔をしている。たまに避けきれなかった衣にかすり、その裾がほつれることはあったが、それもダリの超妖力で即座に修復されていた。
ー気に入らねえな・・・
顔がいいのがまずもって気に入らねえ。
お前もアレだろ?生まれながらに『持っていた』方だよな?
カダマシは後ろに少し跳び、ダリとの距離を稼ぐ。次の技にはある程度の『溜め』が必要だからだ。
その場で、右拳を前、左手を少し引く。両方の足をすり足で開き、正中線を揃える。
ーいったん、隙を作るぞ・・・
その状態から右足を上げ、振り下ろす。要は、大地を踏みこむ。
全ての拳法は、たとえ突き技であったとしての重要なのは『足』だ。足の筋肉は腕のそれの比ではない。その足で踏み込み、その衝撃を上半身に伝えること、それにより、効果的な「突き」を放てる。
そのために、踏み込むのだ。
しかし、『生玉』により、強力に高められたカダマシの筋力による踏み込みは、単なる攻撃の予備動作を超えていた。
ドゴン!

