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天狐あやかし秘譚
第66章 奸智術数(かんちじゅっすう)

☆☆☆
「綾音!綾音ってば!」
肩を揺すられ、私は目を覚ました。
「はれ?ここは?なんれ、ここにいるの?」
あたりを見渡す。そこは会社の事務室だった。
「なに寝ぼけてるのよ。昼休み終わってるよ。いつまでも寝てると課長にまたどやされるよ?」
そう言ったのは、私のひとつ上の先輩、上里(かみさと)さんだった。
上里先輩がいるってことは・・・
「ここって、さくら出版・・・ですか?」
はあ?と上里先輩が素っ頓狂な声を上げる。
「あんた大丈夫?当たり前じゃない」
さくら出版・・・私が入社した会社だ。
でも、でも・・・たしか私は・・・
「え?だって・・・私、クビだって・・・」
「ええ!あんた知らないうちにクビ切られたの!?」
そう、私は入社して3ヶ月そこそこで社用車をぶつけて・・・
そうだよ、この事務室だ、ここにバックで突っ込んでしまって車は大破、事務室わやくちゃにして・・・それで、それで・・・クビ・・・になったんじゃなかったっけ?
それで、天狐神社行って、ダリに会って・・・。
あれ?・・・あれって
「夢?」
「なに、寝ぼけた話ししてんだ、昼休みは終わったぞ、はよ働け!浦原!働かないとほんとにクビにすっぞ!?」
事務室奥に座っている清水課長から檄が飛んだ。清水課長は営業一筋の叩き上げで、めっぽう厳しいので有名だった。四角い顔に、日焼けした肌。そこにいたのは間違いない、紛れもなく清水課長だ。
「は・・・はい!」
わけもわからないまま、私はパソコンを開いた。
「綾音!綾音ってば!」
肩を揺すられ、私は目を覚ました。
「はれ?ここは?なんれ、ここにいるの?」
あたりを見渡す。そこは会社の事務室だった。
「なに寝ぼけてるのよ。昼休み終わってるよ。いつまでも寝てると課長にまたどやされるよ?」
そう言ったのは、私のひとつ上の先輩、上里(かみさと)さんだった。
上里先輩がいるってことは・・・
「ここって、さくら出版・・・ですか?」
はあ?と上里先輩が素っ頓狂な声を上げる。
「あんた大丈夫?当たり前じゃない」
さくら出版・・・私が入社した会社だ。
でも、でも・・・たしか私は・・・
「え?だって・・・私、クビだって・・・」
「ええ!あんた知らないうちにクビ切られたの!?」
そう、私は入社して3ヶ月そこそこで社用車をぶつけて・・・
そうだよ、この事務室だ、ここにバックで突っ込んでしまって車は大破、事務室わやくちゃにして・・・それで、それで・・・クビ・・・になったんじゃなかったっけ?
それで、天狐神社行って、ダリに会って・・・。
あれ?・・・あれって
「夢?」
「なに、寝ぼけた話ししてんだ、昼休みは終わったぞ、はよ働け!浦原!働かないとほんとにクビにすっぞ!?」
事務室奥に座っている清水課長から檄が飛んだ。清水課長は営業一筋の叩き上げで、めっぽう厳しいので有名だった。四角い顔に、日焼けした肌。そこにいたのは間違いない、紛れもなく清水課長だ。
「は・・・はい!」
わけもわからないまま、私はパソコンを開いた。

