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天狐あやかし秘譚
第106章 形勢逆転(けいせいぎゃくてん)
「あ、そうそう、多分彼女、占術の中でも、方位占術の素質があると思うんだ。だから、あの橋本くんの位置を素早く割り出せたみたいなんだよね。飲み込みも早いから、多分すぐに占部の即戦力として、そっちに配属になると思うんだー・・・明咲ちゃん、仲良くしてあげてね〜〜」
九条様に頼られたのは嬉しい、それはたしかに嬉しいのだが、同時にとても複雑だ。
あの時の紗倉の顔
そして、今も九条様を見つめるその熱のこもった視線
思わず私はぎろっと紗倉の方を睨みつけるように見てしまう。当の紗倉自身はニコニコとした表情で九条様の後についていった。
そして、ちらりと、私の方に視線をやると、すっと目を細めた。
「あ、九条様!今日は幹部面接ということで、この間、アドバイスしてくださったとおり、私、前髪ちょっと切ってみたんです。メイクも・・・いかがですか?」
そう言って、九条様に向かってとびきりの笑顔を向ける。
「あ、うんうん!すっごくいいよ。やっぱり紗倉ちゃん肌キレイだからさ、髪もその方がぜったいいいね」
「ありがとうございます。九条様のおかげです。私、ここで頑張ります!」
キュッとこぶしを可愛く握って、キラキラと目を輝かせている。その顔だけを見ると素直で可愛らしい新人さん、という感じなのだが・・・
あの、病的ともいえるヤンデレぶりを知ってる私としては素直にそうとは思えないわけで。
その上、彼女はちらっとまたこっちに目を向けたのだ。
そこに浮かんでいたのは、明らかに私に向けられた、勝ち誇ったような表情だった。
「待ってください!九条様〜♡」
すぐに踵を返して九条様を追いかけて祭部の部屋に消えていく。その鼻にかかったような少し甘めの声、その目、あの表情。
私は確信した。
黒咲紗倉はその恋愛の対象を、九条様に切り替えたということを。
そして私の恋心にもバッチリ気づいていることを・・・。
呆然と立ち尽くす私。
新人を迎え、賑やかに盛り上がる祭部の事務室。
このことは、陰陽寮にまたひとり、一筋縄ではいかない奇妙な術師が増えたこと、そして、私、姿明咲にとんでもない恋のライバルが現れたことを意味しているのであった。
九条様に頼られたのは嬉しい、それはたしかに嬉しいのだが、同時にとても複雑だ。
あの時の紗倉の顔
そして、今も九条様を見つめるその熱のこもった視線
思わず私はぎろっと紗倉の方を睨みつけるように見てしまう。当の紗倉自身はニコニコとした表情で九条様の後についていった。
そして、ちらりと、私の方に視線をやると、すっと目を細めた。
「あ、九条様!今日は幹部面接ということで、この間、アドバイスしてくださったとおり、私、前髪ちょっと切ってみたんです。メイクも・・・いかがですか?」
そう言って、九条様に向かってとびきりの笑顔を向ける。
「あ、うんうん!すっごくいいよ。やっぱり紗倉ちゃん肌キレイだからさ、髪もその方がぜったいいいね」
「ありがとうございます。九条様のおかげです。私、ここで頑張ります!」
キュッとこぶしを可愛く握って、キラキラと目を輝かせている。その顔だけを見ると素直で可愛らしい新人さん、という感じなのだが・・・
あの、病的ともいえるヤンデレぶりを知ってる私としては素直にそうとは思えないわけで。
その上、彼女はちらっとまたこっちに目を向けたのだ。
そこに浮かんでいたのは、明らかに私に向けられた、勝ち誇ったような表情だった。
「待ってください!九条様〜♡」
すぐに踵を返して九条様を追いかけて祭部の部屋に消えていく。その鼻にかかったような少し甘めの声、その目、あの表情。
私は確信した。
黒咲紗倉はその恋愛の対象を、九条様に切り替えたということを。
そして私の恋心にもバッチリ気づいていることを・・・。
呆然と立ち尽くす私。
新人を迎え、賑やかに盛り上がる祭部の事務室。
このことは、陰陽寮にまたひとり、一筋縄ではいかない奇妙な術師が増えたこと、そして、私、姿明咲にとんでもない恋のライバルが現れたことを意味しているのであった。

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